寿命はどこまで延ばせるか? 池田清彦著
本書は、生物学者である著者が寿命や老化の仕組みをわかりやすく解説したもの。
細胞の分裂限界などが遺伝的に決まっているとするならば、だいたい120歳あたりが人間の寿命の限界だという。ならば、最大寿命の限界まで生きたいと願うのが人間のサガである。つまり、老化を遅らせればいいわけだが、そのためのさまざまな仮説が掲載されている。
最も興味深いのは、仮に人類の寿命が100歳以上などになったときの社会構造をシミュレーションした部分。会社では課長昇進まで40年、部長なら50年。何十年も年金をもらい続ける人たちが続出し、国家は破綻し……。長寿社会ははたして幸せなのかと考えさせられる。
PHPサイエンス・ワールド新書 840円
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