コロナショックがもたらす「上場延期」の深刻度

リストラ進み、M&Aによる業界再編も進むか

3月16日の日経平均は取引時間中に一時1万7000円を割ったものの、終値1万7002円だった(東洋経済オンライン編集部撮影)

新型コロナウイルスの感染拡大による「コロナショック」が東京証券取引所への新規上場にも影響し始めた。株価急落で上場を延期するベンチャー企業が増え、財務改善のためのリストラの動きが強まりそうだ。一方、キャッシュが豊富な企業にはM&Aで業容拡大の好機にもなりそうだ。

今の新規上場は狂気の沙汰

「歴史的な下落相場の中で新規上場なんて狂気の沙汰ですよ」――。

近く、上場を予定していたベンチャー企業の男性社長は、こう話し上場を来年度以降に見送った。

日経平均株価は年明けから2月20日ごろまで2万3000~2万4000円の水準を維持していたが、日本での感染者数増加もあり、2月末になり急落。3月11日にはWHOから新型コロナウイルスのパンデミック(世界的感染爆発)が宣言され、収束の見通しは立っていない。3月16日の終値ベースで1万7002円となった。

2012年に発足した第2次安倍政権によるアベノミクスの金融緩和で株価の上昇トレンドが続いていただけに、市場からは1万5000円割れを危惧する声も出始めている。

ベンチャー企業にとって、新規上場はベンチャーキャピタルなど投資家に報いるゴール。上昇相場ならまだしも極端な下げ相場の場合、株式公開をしても公募価格割れも予想されるため、やるだけ損をすることになる。

実際、企業向けソフトウェア開発のウイングアーク1stは3月10日に上場申請を取り下げた。3月12日には、医薬品の研究開発・製造・販売を手がけるペルセウスプロテオミクスが今月24日に予定していた上場を延期すると発表。

さらに、日本全国にスポーツジムの「エニタイムフィットネス」を展開するFast Fitness Japanも13日に上場の延期を発表するなどコロナショックの影響がすでに出始めている。

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