そして経済危機は、たとえそれを乗り切ったとしても、その後の第2弾、第3弾があることを忘れてはいけない。リーマンショック後、数年たってからギリシャショックや欧州債務危機があった。しかも、それらの危機は、金利急騰=国債暴落といった「ソブリン危機」を招く。
「自国主義」に陥ると全体の危機が増幅しかねない
経済危機の段階を簡単に説明すると次のようになる。
●不況(Depression)……年10%前後のマイナス成長、あるいは3年以上のマイナス成長
●恐慌(CrisisまたはPanic)…信用収縮や信用崩壊を伴う著しい不況
●大恐慌(The Great Depression)……破壊的な経済危機。金融システムが崩壊し、実体経済は大きくマイナス成長となる。企業倒産が相次ぎ、失業者が街にあふれる。個人、企業政府ともに疲弊し、場合によっては通貨が暴落、ハイパーインフレなどに見舞われる。
いずれにしても、現在はグローバリズムが発達した時代になっており、世界が一蓮托生であることをきちんと理解できる政治家がそろうことを祈るしかない。
最悪のシナリオとしては、新型コロナウイルスのパンデミックが収束した後に、経済が荒廃してしまっている事態だ。これを避けるためにもリーマンショックのときのように、世界のリーダーが協調して強力なリーダーシップを発揮する必要があるだろう。それができなければ世界経済は大恐慌に陥る。
そういう意味では、自国の利益を優先する政策を並べる「ポピュリズム政権」は、危機に際して有効な政策を打ち出せずに失敗しがちであり、懸念材料となる。
ちなみに、これまでの株価下落の代表的なケースと言えば次の3つとされている。いずれも8割を超える大暴落だ。
2. 英国FT 100(1974年)……86.5%
3. 日経平均225(1990-2003年)……81.5%
今回はここまで悲惨なことにはならないことを願う。
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