政府のイベント自粛要請によって、すでに多くの所得が奪われています。
これについての対策は、緊急を要する重要なものですが、同時に極めて難しいものです。
これまでの措置を見ると、雇用されている人々に対する対策が先行していると考えざるをえません。
最初に実施が約束されたのは、臨時休校による保護者への助成金支給でした。
この問題に関して、「政府が決めた臨時休校による保護者への助成金支給についてアンケート調査」を3月3日に実施し、69件の回答を得ました。
結果は、次のとおりでした。
「フリーや自営業者が対象外なのは不公平」が25.0%。
「フリーや自営業者は、イベント自粛要請で収入そのものが減る。この対策の方が重要」が19.1%。
「休校措置の効果は疑わしい」が51.5%。
こうした批判的な意見が多かったのに対して、「適切な措置だ」は、7.4%しかありませんでした。
しかも、休校措置に伴って、さまざまな問題が発生します。例えば、自由回答の中で、次のような意見がありました。
「子ども対象の学習教室を運営しています。休校に伴い教室も休まざるをえず、『休会』の申し出が生じています。休室に伴い、スタッフも休みにすると、スタッフの給与も減ります。スタッフは、小学生の親でもなく、仕事を休まざるをえないという対象でもないので、補償が得られません」
「今回の助成金は法人を対象としている、としたほうが正確ではないかと思います。いずれにしても、貧しい人々が得することはありません」
「助成金を出すのであれば、すべての国民とすべき」
「私もフリーランスなので、本当に切実な問題です」
「組織に縛られない働き方」に疑問が生じてしまう
「臨時休校による保護者への助成金支給」は、雇われている人に限定された措置でした。
しかし、フリーランスであってもまったく同じ問題が生じるわけで、不公平な措置だと考えざるをえません。
すでに、音楽、演劇関係者から、悲鳴に近い声が出されています。
また、宿泊業、飲食サービス業、小売業も、売り上げの激減に直面しています。こうした人々に対してどのような対策を講じるかが、真剣に考えられなければなりません。
私は、これまで組織に依存するのではなく、自分自身で仕事を行うフリーランスが広がることこそが、日本の活力を高める方策であると信じてきました。
政府も、働き方改革の中で、そのような方向を示していたはずです。
しかし、以上のような実態を見ると、考え込まざるをえなくなってしまいます。
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