「空前のレモンブーム」日本中が沸く2つの理由 なぜ「添え物フルーツ」が主役になれたのか?

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一方、あくまで輸入量のみだがオレンジはというと、2016年は約10万1542トン、2017年は約9万593トン、2018年は約8万1593トンと減少傾向にある。

長らく果汁系の清涼飲料水で大きな支持を集めていたオレンジが後退し、その代わりにレモンが躍進。果汁系の清涼飲料水の政権交代が行われている格好だ。

レモンへの関心が高まった理由

それにしても、なぜここまでレモンが台頭したのか。「レモンには追い風しか吹いていない」。そう話すのは、調達・購買業務コンサルタントで、未来調達研究所代表の坂口孝則氏。「急速にレモンへの関心が高まっているように見えますが、レモンへの関心は段階的に高まっていったもの」と語る。

「2011年、東日本大震災が発生した際、各所で節電を求められました。このとき、冷房などを使用しなくても涼しさやリフレッシュ感を得られるという理由から制汗剤やデオドラントの売り上げが急激に伸びた。その中で、レモンのデオドラントや芳香剤にも注目が集まりました」

レモンの清涼感が改めて認知されたことで、レモンのヒット商品が生まれる下地はできあがっていたというから興味深い。

「その後、糖質制限が話題になり、2014年に塩レモンブームが訪れたことで、さらにレモンは脚光を浴びます。また、ビールの需要がどんどん下がる中でハイボールやレモンサワーが支持を集めていますが、実は飲料市場においても炭酸飲料だけが明確に伸びている。糖質制限をするとなると、甘い飲料の代わりとなる甘さとは違う刺激を持つ飲料水を求める。糖質ゼロの強炭酸系の清涼飲料水がヒットしたのはこういった理由からでしょう。加えて、強炭酸と柑橘系を組み合わせようとしたら、多くの人がベストマッチと認めるレモンにたどり着く」

レモン市場は海外に供給を依存しているため、価格が比較的安定していることも大きいと話す。意外にも、世相がレモンを求める風潮へと向かっていったというわけだ。だが、その味を脳や体が欲していなければ、ここまでのブームにはならないはず。

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