「空前のレモンブーム」日本中が沸く2つの理由 なぜ「添え物フルーツ」が主役になれたのか?

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一般的にストレスや疲労に効果があると言われているレモン。はたして本当にストレス社会の一助となるのか? 東北大学で、食行動の心理学や、味覚、嗅覚などの化学感覚に関する認知神経科学を研究する坂井信之教授に話を聞くと――。

「生物学的に、細胞が活動したり成長したりするとき、有機酸という酸が必要になります。ストレスを解消するときや疲れたときも同様で、レモンにはこれが含まれています。また、柑橘系の香りの中でも、リモネンという物質がリラックス効果を持つと言われていて、リモネンはレモンから抽出される主な成分。ほかの柑橘系にも含まれているのですが、レモンが最もリモネンを豊富に含んでいるため、リフレッシュ感を得られやすい果実と言えますね」

オレンジやグレープフルーツはどうだろう。

「甘味や苦味も感じるため、純粋な酸味ではありません。甘いものを食べると喉が渇いてしまい重く感じたり、苦味を敬遠したりする人も少なくないですから、レモンを選ぶ人が増えても不思議ではない」

消化を助ける“レモン×脂肪&糖”

“レモン×脂肪&糖”の組み合わせにも、医学的エビデンスがあると付言する。

「油を消化をする際、さまざまな酵素が働くのですが、レモンはとくに肝臓から出る胆汁の分泌をよくすると言われています。また、酸っぱいと感じると唾液がたくさん出るため、食物の味覚を強く感じさせたり、ご飯の吸収や分解の効率を向上させる働きもあると考えられます」

レモンサワーも同様の効果が得られるというから吞兵衛には朗報である。

「レモンや梅は、クエン酸という有機酸が主成分なので、レモンサワーや梅サワーは消化の促進効果が見込めます」としたうえで、「梅はかなり工夫しないと梅の味(フレーバー)を再現できないのですが、レモンのフレーバーは比較的再現性の高いフレーバーを作ることができるんですね。香料と炭酸でレモン味の飲料を作ることもできる。レモン味は製品化、工業化とも相性がいい」と、レモンの長所を教える。

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