「ベトナムの高速道路」は日本と何が違うのか バイク王国における高速道路のあり方とは

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ハノイ―ハイフォン高速道路のサービスエリア(筆者撮影)

ハノイ―ハロン間には2カ所のサービスエリアがあり、その1つに立ち寄ってみた。日本のサービスエリア同様、その場で食べられるファストフードの店がいくつもあるほか、韓国フェアの屋台が出ていて、韓国のファストフードのバラエティーも豊富だった。また、これから入居する店舗の工事も進んでいて、今後の利用者の増加を見越した整備が進んでいる印象を受けた。

翌日に走ったハノイからホーチミンに向かう南北高速道路は、さすがに国の基幹道路であるだけに、料金所でもずらりとブースが並び、車の通行量もハロンへ向かう高速道路とは段違いの多さだった。

2030年には約7000kmまで延伸

現在、ベトナムの高速道路の総延長は1000キロを超えた程度だが、20本を超える高速道路の建設が計画されており、2030年には7000km程度まで延伸される予定である。

サービスエリアの売店(筆者撮影)

ベトナムは鉄道網もあるにはあるが運行本数が少なく人々の移動の中心とはなっておらず、都市間の移動は路線バスが一般の国民の足となっている。その意味では高速道路の整備は人々の生活に直結しており、今後のさらなる経済発展を見据えると高速道路網の充実は重要な国家的課題であろう。

余談だが、日本でのマスク不足からベトナムでマスクを調達しようとドラッグストアやコンビニを回ってみたが、不織布のマスクはこちらでも結構売り切れが多く、バイクの利用者の多くが使っている布製のマスクのほうは市街地の露店などで簡単に入手することができた。ただし、派手なデザインのものも多く、買ってはみたものの日本で着用できるかどうかは微妙かなと思いながら帰国した。

佐滝 剛弘 城西国際大学教授

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さたき よしひろ / Yoshihiro Sataki

1960年愛知県生まれ。東京大学教養学部教養学科(人文地理)卒業。NHK勤務を経て、NPO産業観光学習館専務理事、京都光華女子大学キャリア形成学部教授、リベラルアーツ・ジャーナリスト。『旅する前の「世界遺産」』(文春新書)、『郵便局を訪ねて1万局』(光文社新書)、『日本のシルクロード――富岡製糸場と絹産業遺産群』(中公新書ラクレ)など。2019年7月に『観光公害』(祥伝社新書)を上梓。

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