新型肺炎の影響が懸念される日本の不動産市場 オフィス市況やマンション価格好調は続くか

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東洋経済新報社の記者・編集者が、SBI証券のチーフストラテジストの北野一氏とともにマーケットを展望する月1回の動画連載「Monthly TREND REPORT」。第3回後編では小社の福田淳記者が2020年の不動産市況の動向について解説します(この番組の収録は2020年2月中旬に行いました。詳しくは動画をご覧下さい)。
前編「新型肺炎にも負けない株」とはどんな株なのか

「オフィス」も「住宅」も、2020年の不動産は好調持続?

上の画像をクリックするとSBI証券「Monthly TREND REPORT」のページにジャンプします

福田まずはオフィス市場から見てみましょう。足元では空室率が1%を切り、賃料も上がるなど、不動産会社の収益は好調です。背景には働き方改革で、企業が1人当たりのスペースを増やす、あるいは休憩スペースを増やすなど、オフィス環境の改善に動いていることが挙げられます。

一方、住宅市場ですが、ご存じの通り、マンション価格は高騰しており、2019年の首都圏の1戸あたりの新築マンション分譲価格は5980万円となりました(不動産経済研究所調べ)。

これは1990年の6123万円に次いで、過去2番目の高さです。ここまで高くなると売れ行きが悪くなり、すでに供給できるディベロッパーは絞られてきており、「メジャー7」と言われる大手のシェアが高まっています。それでも価格は下がりません。なぜでしょうか。それは、前述のオフィス市況が好調で、利益が出ているため、無理してマンションを値下げしてまで売り切る必要がないからです。

北野 住宅価格がここまで上昇すると、首都圏と地方の格差は今後一段と開くということでしょうか?

福田 首都圏があまりに高くなりすぎたため、投資マネーの一部が大阪や福岡など一部の地方には波及していると言えるかもしれません。

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