新型肺炎の影響が懸念される日本の不動産市場

オフィス市況やマンション価格好調は続くか

――首都圏でも「3A1R」(青山、赤坂、麻布、六本木)以外はどうなのか、という声もありますね。

福田 確かに価格がここまで高騰すると買える人は限られてきます。実際、2019年の首都圏のマンションの供給戸数は3万戸強でした。これは2018年比で1割強減少していますし、3万5000戸を割ったのは27年ぶりです。

新型肺炎の影響が長期化なら異変も

――今後の不安要素は何でしょうか?

福田 まず足元の新型肺炎による影響が懸念されます。不動産市況と新型肺炎とは直接リンクしないように見えますが、日本の不動産価格の上昇は海外投資家のマネーが押し上げている部分もあります。世界経済が悪化すれば、投資マネーが収縮し、不動産価格の上昇がやむ可能性があるでしょう。また、海外からの観光などで日本を訪れる人が減少すれば、日本の不動産の稼働率は低下します。

実は、このところ、ホテルへの投資は非常に活発でした。例えば京都・大阪という人気観光地のホテルの客室数は2016年以降、大きく増加しています。しかし、いちごホテルリート投資法人が発表した2019年前半の客室売上高を見ると、2018年前半比で京都が16%、大阪が19%それぞれ減少しています。単価を下げても稼働率が厳しい中で、新型肺炎が深刻化すると、不動産市況にも影響を与えることが予想されます。

また、その他の不安要素もあります。融資問題です。「かぼちゃの馬車」問題(シェアハウスのサブリース事業を行っていたスマートデイズが2018年に破たんし、700人以上のオーナーや融資元のスルガ銀行をも巻きこみ社会問題にまで発展した)をきっかけに、不動産融資が厳しくなり、資金調達は厳しくなっています。また金利の問題もあります。現在の超低金利がどこまで持続するのかは不明です。もし何かのきっかけで金利が上昇したら、不動産市況に大きな影響が及びそうです。

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