大混乱を回避、台湾の知られざる「マスク事情」

政府が買い上げ、「マスクマップ」で在庫確認

政府は当初、買い上げられたマスクをコンビニエンスストア経由で、1人3枚までに制限して販売した。それでもマスク不足は解消されず、国民の不満や不安は続いた。

そのため、政府は次の一手としてマスクの販売窓口の変更と実名購入制に踏み切る。蘇貞昌・行政院長(内閣総理大臣に相当)は国民に向けて次のようなメッセージを発した。

指定の薬局経由で2枚まで購入に制限

まず、コンビニエンスストア経由の販売を2月4日から停止する。その代わり、2月6日から全国6505の健康保険特約薬局で、保険証を提示することによる実名購入を始める。

各薬局では1日あたり大人用マスク200枚、子供用マスク50枚を準備する。保険証1枚につき2枚(3月から3枚)を10台湾ドル(約36円)で購入できるが、一度購入すると7日以内は再購入できない。

【2020年3月7日13時37分追記】初出時の記述を上記のように修正いたします。

さらに、購入時の混雑を緩和するために、国民身分証(日本のマイナンバーに相当)の下1桁が奇数の人は月・水・金に、偶数の人は火・木・土に、日曜日は全国民が購入できるようにする。代理購入は1人の保険証で1枚まで可能で、子供用マスクは12歳以下で子供用保険証がないと購入できないものとした。

台湾ではまだ集団感染が発生していないと判断されており、1週間につき1人2枚の販売は妥当だと当初は考えられた。長時間にわたって人が密集している地域や医療機関に出入りする場合を除き、マスクの着用は必要ではないと、テレビなどを通じて繰り返し呼びかけられている。

しかし、本当にマスクを購入できるかどうかは、薬局まで実際に足を運ばないとわからない。地域によっては人口あたりの薬局数にばらつきがあり、数店舗回っても購入できないなど、人々の負担や不満を払拭したとは言いがたかった。そこで登場したのが、日本でも紹介された「マスクマップ」だった。

次ページ人々の不安解消策「マスクマップ」
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