台湾から上陸、低価格3Dプリンタの実力 完成品が、たったの6万9800円。ターゲットは個人用途

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3Dプリンタを日本でも普及させることができるか。台湾XYZプリンティングは、個人向け3Dプリンタ「ダヴィンチ1.0 3Dプリンタ」を3月18日から店頭での販売を開始した。価格は6万9800円で、日本語のサポート体制も整えている。

個人向け3Dプリンタは、すでに数多く発売されている。価格帯は10万円以上のものが中心だが、最近はベンチャー企業を中心に5万円台の安価なモデルも複数発売されている。しかし、その多くは組み立てが必要なキットの状態で提供されるため、購入してから手間がかかる。また、一般的な個人向け3Dプリンタの多くは、プリンタ部分がむき出しになった簡易なデザインのため、作動音やフィラメント(素材となる樹脂)が焼き付くにおいを気にする声も少なくない。

ダヴィンチは、組み立てた状態で出荷されるため、箱から出して、フィラメントを装着すれば、調整不要で使える。フィラメントは3280円。発売時点で6色あり、12色へ順次増やしていく。「筐体でプリンタ部分を囲んだ設計を採用することで、競合商品と比較すると音もにおいもさほど気にならない」(XYZプリンティングジャパンの吉井宏之ゼネラルマネージャー)ようにした。

3Dデータを無償提供

3Dプリンタの魅力は、金型がなくても誰もがもの作りができるようになる点にある。その上で最大のハードルとなるのが、3Dデータの作成だ。3Dデータを作るには専用ソフトを使いこなし、実際の筐体を想定してデザインする能力が求められる。

XYZプリンティングはこれにも配慮し、オリジナルの3Dモデルファイルをオンラインで無償提供することで、ユーザー登録すれば誰でもダウンロードを可能にした。ただしダウンロードした3Dデータは加工できないため、自分だけのオリジナルデザインにアレンジすることはできない。「データを加工できるようにしてほしいというニーズは多い」(梁雪莉マーケティングマネージャー)と認識しており、いずれは加工が可能になるかもしれない。

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