6年目の沖縄映画祭が占う吉本興業の"脱皮" 地元への浸透に手応え、課題は発信力の向上

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

今年は映画祭の開催地域拡大に呼応するように、宜野湾市だけでなく、那覇市や浦添市、沖縄市、北谷町など、新たに6つの応援団が結成された。今後も、その数は拡大していきそうだ。

こうした動きは“次のステップ”を意識したものにほかならない。「よしもとが本土からやってきて、映画祭の期間だけ盛り上げてきたが、今後は地元主導で年間を通じて沖縄全体を盛り上げる映画祭にしたい」(関係者)。SPEEDや安室奈美恵など多くのタレントを輩出してきた沖縄から、世界に通用するようなエンタメ文化を確立することを目指す。

地元としては、映画祭を沖縄発展のきっかけにしたいという思惑がある。那覇空港の国際線新ターミナルや那覇港の整備など、海外から観光客を受け入れるインフラ構築も進んでおり、「映画祭の発信力を活用し、沖縄から映像にまつわる新たな話題を発信していきたい。観光のよいPRのきっかけとなることを期待している」(上原会長)。

沖縄が世界戦略の試金石

画像を拡大
今年は那覇市の国際通りでもレッドカーペットのイベントが開かれる

徐々に地元に根付こうとしている沖縄映画祭。今後の課題の1つは、映画祭としての体裁をいかに整えていくかだ。

コンペティションの作品数の少なさはかねてから批判の的だったが、今後ステータスを上げるためには数の充実を図る必要がある。また、よしもとは今年から京都国際映画祭への参画を決めている。沖縄と京都、両映画祭のすみ分けや連携も気になる点だ。

ここ数年、よしもとは「47都道府県 地元に住みます芸人」など、地域発信・活性化の取り組む一方、アジアや米国などへの日本のエンターテインメント文化の進出・輸出を強化している。地元との連携を強化しつつ、同時に世界へと向かうよしもとの戦略の試金石となるのが、この沖縄といってもよいだろう。

宇都宮 徹 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

うつのみや とおる / Toru Utsunomiya

週刊東洋経済編集長補佐。1974年生まれ。1996年専修大学経済学部卒業。『会社四季報未上場版』編集部、決算短信の担当を経て『週刊東洋経済』編集部に。連載の編集担当から大学、マクロ経済、年末年始合併号(大予測号)などの特集を担当。記者としても農薬・肥料、鉄道、工作機械、人材業界などを担当する。会社四季報プロ500副編集長、就職四季報プラスワン編集長、週刊東洋経済副編集長などを経て、2023年4月から現職。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事