アメリカで学級閉鎖が決断されるのは、生徒の10~20%が感染した場合だ。日本の5%より学級閉鎖の閾値は高い。
この状況は1992~1993年のB型が流行したときと同じだ。この時も大人より子どもに被害を与えた。
その理由については、いくつかの可能性が報告されているが、B型はA型と比べて変異が生じにくいため、高齢者は以前の感染により免疫を維持していることが影響しているとされている。
実は、この傾向はアメリカだけではない。欧州も同様だ。今シーズンの感染者数は2018~2019年と変わらないが、B型が多い。2月10~16日に診断されたインフルエンザの31%がB型だ。ちなみに2018~2019年シーズンの同時期のB型の割合は0.8%だ。
ちなみに、その前年度にあたる2017~2018年のシーズンは60%がB型だった。従来から、インフルエンザの感染予測は難しいとされてきたが、近年、その傾向は強まったようだ。もちろん、これはグローバル化の影響だろう。人の移動に伴い、感染症も移動する。
今後、世界が注目する感染症は新型コロナウイルスとインフルエンザだ。
B型インフルエンザにも注意
新型コロナウイルスが世界的な大流行であるパンデミックとなる可能性は高まっている。その際、アメリカや欧州で流行しているB型インフルエンザがどうなるか、誰も予想ができない。競合関係になるのか、あるいは重複感染がおこるのかわからない。後者の場合、被害は重大になる可能性が高い。日本では毎年春先にB型が流行する。今年はどうなるだろう。
このまま無事に開催できるかどうか不透明になってきているが、今夏は東京五輪が開催予定だ。全世界から多くの選手や観客が東京にやってくる。南半球からも大勢の人が来るだろう。その頃、南半球は冬だ。新型コロナウイルスがパンデミックとなっていれば、流行している可能性が高いし、インフルエンザの最盛期だ。彼らの流入が、日本にどんな影響を与えるか予想がつかない。
安倍首相は、今後、数週間が新型コロナウイルス対策のヤマ場との見解を表明した。一方、私の考えは逆だ。おそらく長期戦になるだろう。全世界から感染情報を収集し、グローバルな視点に立った対策が必要である。
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