本数は多いのに「実は不便」な通勤路線の特徴 等間隔でも「使える列車」にはばらつきが

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京成電鉄も同じパターンが見られる。日中の京成線(京成上野―青砥)は普通が10分おき、特急(または快速特急)が20分おきに走っている。下りの普通の半数は京成上野駅・日暮里駅を特急の2分後に発車し、途中で押上線から来る快速に接続する。

このため、京成八幡(京成上野から4つ目の特急停車駅)より先へ行く場合の有効本数は、特急3本と、快速に乗り継げる普通3本の毎時6本確保されている。

【平日12時台・京成上野駅発 特急・快速特急と普通の時刻】
<特急・快特>14 34 54(20分間隔)
<普通>06 16* 26 36* 46 56*(10分間隔)
【京成八幡以遠に先着する列車】
14(快特)16* 34(特急)36* 54(快特)56*
(*:京成高砂で快速に接続)

しかし、京成八幡より先へ行く場合の有効列車だけで時刻表を作ると間隔は2~18分おきだ。実質20分おき・3本の路線とあまり変わらない。

反対に京成八幡から日暮里へ行く場合、京成上野行き特急と、青砥で普通上野行きに接続する都営地下鉄浅草線直通の快速が交互にほぼ10分おきの運転をしている。だが、快速に乗って青砥で乗り換え、日暮里に着くと2分後に後続の特急がやってくる。それなら特急に乗ってもほとんど同じだ。どうも損したような気がしてしまうのは筆者だけではないだろう。

3:2で噛み合わないダイヤ

大宮と高麗川を結ぶJR川越線は、川越を境に列車の運転が分断されており、大宮から高麗川へ行く場合は乗り継ぎが必要になる。大宮―川越間は20分おきの運転だ。川越―高麗川間もかつては20分おきだったが、利用状況の低迷からか2015年のダイヤ改正で30分おきになった。

一見するとどちらも運転間隔が整ったダイヤに見える。しかし歯車をイメージしてほしい。歯の間隔が3:2の歯車同士が噛み合うだろうか。そんなわけはない。川越線のダイヤはまさにそんな状況になってしまった。

大宮から高麗川へ行く場合、大宮駅発の時刻表はきれいに20分おきだが、高麗川方面へ行く列車にタイミングよく乗り継げる列車は、20~40分おきと大きくバラつく。40分開くタイミングで乗り損ねたときのショックは大きいだろう。

ちなみに埼京線の池袋以南は20分サイクルの埼京線と15分サイクルの湘南新宿ラインがごちゃまぜになっており、運転間隔の不均衡を生んでいる。音楽に例えるなら、3拍子の曲と4拍子の曲を同時に演奏するとリズムが合わないのと同じ状況だ。

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