本数は多いのに「実は不便」な通勤路線の特徴 等間隔でも「使える列車」にはばらつきが

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武蔵浦和駅での接続改善

武蔵浦和で接続する埼京線と武蔵野線。武蔵野線は10分おきに対し、かつての埼京線は10分おきだが4本に1本は赤羽で折り返しであったため、ときどき電車が来ない時間帯があった。このため、武蔵野線から埼京線の各駅へ行く人にとっては、1本後の電車でも乗り継ぐ埼京線の電車は同じということがよくあった。

その後のダイヤ改正で大宮―赤羽間の各駅停車は毎時6本に統一され、武蔵浦和以北は10分おき、武蔵浦和以南も8~12分おきに改善され、どの武蔵野線列車に乗っても埼京線の各駅停車に乗り継げるようになり、武蔵野線各駅から埼京線各駅への有効列車間隔は10分均一に改善された。JR東日本の首都圏区間では数少ない路線間での接続の改善例だ。

【平日12時台・武蔵浦和駅 埼京線時刻】
<大宮方面>08 16* 18(快)28 36* 38(快)48 56* 58(快)
<赤羽方面>01(快)04 12 21(快)24 32 41(快)44 52
(*:当駅止まり・到着時刻)
【武蔵野線時刻】
<西船橋方面 >01 12 21 32 41 52
<府中本町方面>03 13 23 33 43 53

JR西日本

JR西日本の大阪都市圏は、首都圏に比べると本数は少ないが使いやすさは抜群だ。特急以外の列車は15分ないし30分のサイクルで統一してダイヤが作られており、列車の増便や減便も15分おきか30分おきで調整されている。快速と各駅停車の比率も一部の区間を除いて原則1:1だ。

すべての路線でこれが徹底されているので同一ホーム乗り換えなら待ち時間がほとんどなく、同一ホームでない場合でも、どのタイミングで乗り継いでも待ち時間は均一だ。これだと遅延や乗り遅れが発生しても遅れる時間は15分単位で見積もればいい。

同じJRでもなぜ東日本と西日本でこんなに違うのか。コストの問題を挙げる人をよく見かけるがそれはどの鉄道会社も一緒である。JR東日本はポスターに書いている通り「いちばん乗りたい鉄道会社」を目指す気があるのだろうか。

理想的なダイヤはどんな形か

いかがだったであろうか。いつ乗っても「使える列車」にあたる路線の共通項はこの2点だろう。

●路線間で運転間隔やダイヤのサイクルを統一している。
●緩急(各駅停車と優等列車)の比率を1対1にしている。こうすると間隔の均等化だけでなく、特定の列車への混雑の集中も緩和される。

すでにこの条件に合致する鉄道会社は、本数を変えずに急行と各駅停車の比率を変えたり、急行列車を増発したり、反対に各駅停車の本数を削ったりといった工夫でこのようなダイヤを実現している。

こういった取り組みが広がり、理想的には乗り換え検索をしなくても直感的に使えるようにデザインされたダイヤが普及していくことを願いたい。

北村 幸太郎 鉄道ジャーナリスト

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きたむら こうたろう / Koutaro Kitamura

1989年東京生まれ。2008年昭和鉄道高等学校運輸科卒業、2012年日本大学理工学部社会交通工学科マネジメントコース卒業。乗り鉄、ダイヤ鉄。学生時代は株式会社ライトレールにインターン生として同社の阿部等社長のもと、同社主催の「交通ビジネス塾」運営などに参加。

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