「新型コロナ相場」に勝つ銘柄の選択方法とは? 相場が波乱になった時に慌ててはいけない
新型肺炎で株式市場が最も気にしているのは、やはり日本企業の業績に及ぼす影響だろう。訪日客の激減によって航空会社、旅行会社、ホテル、そして近年はインバウンド向けの売り上げに負うところが大きくなっている百貨店や量販店などは影響が避けられない。ただし、直接的な影響が顕著な業種についてはすでに株価も業績の下振れを織り込んで下落している。気懸かりなのは、直接的な影響は受けないものの、中国の生産活動が滞ることで部品などが調達できなくなるという、製造業の企業に及ぼす影響だ。
感染拡大を防止するため春節休暇明けの操業を延期していた中国の工場は、2月10日から一部で操業が再開されている。徐々に生産活動が正常化していくのだろうが、“世界の工場”で生産活動が滞るようだと、幅広い業種で日本の企業も少なからず影響を受ける。今期(2020年3月期)の企業業績に悪い影響を及ぼすことは避けられないにしても、影響が来期の業績にまで及ぶかどうかが大きなポイントになりそうだ。その意味では、サプライチェーン回復のメドが3月中に立つかどうかが、今後の日本株の動向を占う意味で大きな意味を持ってくるだろう。
荒れ気味の相場は長期スタンスでの押し目買い
株式市場では短期資金を中心にマスクや除菌製品を扱う企業への物色が活発化している。個人投資家の物色意欲は健在、といったところだが、思惑で動いているものは資金の逃げ足も速いと思われるので注意したい。むしろ、成長トレンドが腰折れしそうにない半導体や5G関連株について少し長い目で見た押し目買いが効果的な局面ではないだろうか。さらに、長い目で見た押し目買いという観点では、高配当利回り株にぜひ注目して欲しい。
足もとで東証1部の予想配当利回りは2.3%(2月19日、加重平均)と高水準を保っている。2008年のリーマンショック以降、日本の上場企業は収益力を高めながら、配当を中心とする株主還元に前向きな姿勢を強めてきた。着実に増えている配当に株価が追いついていない状況が、魅力的な配当利回りを生んでいる。相場が荒れるような局面においても高配当利回り株は、配当が株価を下支えるというディフェンシブな側面を持っている。外部環境に不透明感が強い時こそ、高配当利回り株に注目すべきだ。
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