インドネシアが新型肺炎「感染者ゼロ」の不可解

バリ島に武漢からも多くの中国人観光客

保健当局はこれまで、感染の疑いのある症例50件ほどを検査したが、すべてが陰性だったとしている。

北スラウェシのセメント会社からの中国人労働者30人は、休暇中に訪れていた中国から戻った後、14日間の検疫の対象になった。対象者のうちウイルスに感染した人はいなかった、とある入国管理官は言う。

MERSでウイルス対策には慣れている

症状のある患者が入国していたのであれば、発見されていただろうと、保健省の予防管理秘書であるアフマド・ユリアントも主張している。

「私たちは大規模なウイルス感染に直面する準備はないが、それを防ぐ用意はできている」とユリアントは言う。「新型コロナウイルスの発生を待っているわけではないし、予防を強化している」。

インドネシアは、別の危険なコロナウイルスである中東呼吸器症候群(MERS)に対して長期間にわたる警戒体制をとっているため、旅行者の感染症を監視してきた実績はある。毎年約140万人のインドネシア人がサウジアラビアへの巡礼に出かけ、そこでMERSにさらされる可能性があるので、対象者は帰国時にスクリーニングされる。

ユリアントは、「私たちはこういったケースを何度も経験している」と述べ、「おそらく他の国はこの状況に対処することに、インドネシアほど入念ではないのだろう」とつけ加えた。

インドネシアには、首都のジャカルタに2つ、そしてインドネシア第二の都市である東ジャワのスラバヤに1つ、新型コロナウイルスの検査が可能な研究所があります。ユリアントによると同研究所では、1日に1200人分の検査が可能だ。新型コロナウイルスの疑いのある症例を扱うセンターは、全国で100の病院が指定されている。

2月5日にインドネシアと中国間の航空便が停止する前には、中国からバリ島への便が週に134便あり、1日あたり約5000人が利用していた。

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