インドネシアが新型肺炎「感染者ゼロ」の不可解

バリ島に武漢からも多くの中国人観光客

外国人旅行者に大きく依存しているバリ島の経済にとって、新たな中国人観光客の損失は壊滅的なものになりえる。それでも、すでにバリ島にいる観光客の中には、より長く滞在するためにできる限りのことをしている人も多くいる。

バリ島の中国総領事であるグー・ハオドンは、残留している中国人観光客の多くは、検疫やウイルス感染の可能性のある国に帰るよりも、残留するためのビザの延長を希望している、と話す。移民当局によると、残留中の中国人観光客の数は5000人ではなく1500人で、30人以上が14日に観光ビザの延長を申請したとしている。

残ることを選んだ広州から来た家族

ジュンソン・グオと彼の家族もバリに残ることを選んだ。広州でオンラインビジネスのマネジャーを務める42歳のグオは、家族とオーストラリアでの休暇を過ごしていたと言う。しかし、新型コロナウイルスの発生後、彼らは休暇を延長し、バリ島で1週間過ごすことにした。同氏は、到着時に健康診断を受けなかったが、全員が健康だとしている。

総領事館でビザの延長を申請する中国人観光客(写真:Nyimas Laula for The New York Times)

720個のマスクを持ち帰り用に購入し、22日に帰国した際に故郷の病院に寄付するというグオは、「ウイルスについて心配している」と話す。「しかし、仕事に戻らなければならないので、帰国はしなければならない。広州は中国のほかの地域ほど状況は悪くない」。

上海からの旅行者、ソン・イーとその友人、ヤン・ユジアの27歳の2人は、1月中旬に8人の友人と一緒にバリ島に到着した。「滞在していた20日間元気だったので、健康診断は受けていない」と、クタビーチ近くのショッピングモールで衣料品を買い求めていた銀行員のソンは話す。

ソンによると、バリ島の人々はとても親切だったが、一緒に来ていた中国人の友人は新型コロナウイルスに対する恐怖からお互いを避け始め、すぐにバリを離れる決断をしたという。

バリ島での滞在を延長した後、2人は来週帰宅する予定だ。「私たちはウイルスを恐れ、長く滞在することを選んだ」とソンは話している。

(執筆:Richard C. Paddock記者、Dera Menra Sijabat記者)

(C)2020 The New York Times News Services 

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