日本はこのまま「コロナ不況」に突入するのか

増税、台風に続く3つ目の経済停滞要因

コロナウイルスの流行は、中国国内にある日本企業の事業にも影響している。新型ウイルスに対応するため、中国当局は旧正月休みを延長し、多くの日本企業の製造業務を事実上停止させた。

NHKによると、玩具メーカーのトミーは中国での生産が減速したため、2020年3月期の収益予想を引き下げた。ウイルス流行の結果、任天堂は日本市場向けの「ニンテンドースイッチ」の出荷を遅らせると発表した。

今月、ソニーの十時裕樹CFOは投資家に対し、コロナウイルス流行が「わが社のサプライチェーン、物流、販売に多大な影響を与える可能性がある」と警告し、収益成長の業績見通しを打ち消す可能性があると述べた。

訪日客の3割は中国から来ている

とはいえ、近年日本の経済にとって重要性が著しく高まっている観光事業に依存する企業ほど、ウイルス流行の影響を受けている企業はおそらくないだろう。政府の統計によると、日本への訪問者数は過去10年間で3倍以上に増え、2018年には3100万人に達した。

こうした訪問者の30%以上が中国から来ており、そのうち10分の9近くを休暇旅行が占め、日本への最大観光客源国となっている。日本の観光ランキングで2位と3位を占める韓国と台湾からの訪問者はほとんどのお金を観光に費やしているが、中国の旅行者は買い物をする傾向がある。

大挙して押し寄せる中国のバーゲンハンターは、高い税金とニセの家庭用品を避けたいがゆえに、東京の高級ショッピング地区に降り立ち、日本で「爆買い」として知られる大量購入で国内外産の商品を買いまくる。

日本の人口が減少する中、国内消費を支える中国からの観光客は国の経済に非常に大きく貢献している。

大和総研のシニアエコノミストである神田慶司氏は「来日する中国人訪問者の消費パターンを見ると、多くの人が化粧品などを買っている」と話す。「百貨店やドラッグストアのような場所は、多大な影響を受けている」。

とはいえ、希望はすぐその先にあるのかもしれない。浅草寺の近くでスイーツ店を経営しているナトリ氏は、通常観光が最盛期を迎える桜の季節を待ちわびている、と話す。そしてそれを見越し、このダウンタイムを利用して「季節限定メニューを考え出す」計画を立てているという。

(執筆:Ben Dooley記者、Emi Yamamitsu記者)

(C) 2020 The New York Times News Services 

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