日本はこのまま「コロナ不況」に突入するのか 増税、台風に続く3つ目の経済停滞要因
旧正月は中国から日本への観光最盛期だが、シュン・ナトリ氏の店がある辺りの細い路地は、何週間も異常に静かなままだ。赤い巨大提灯と自撮りスポットで観光客に有名な浅草寺も、閑散としている。
ナトリ氏によると、ここまでひどい状態になったのは、地震と津波が引き起こした原発事故におそれをなした観光客が何カ月もの間日本から遠ざかった2011年3月以来である。「また忙しくなれば最高なんだが」と同氏は語る。
3月までに40万人が旅行をキャンセル
だが、それはすぐには実現しそうもない。日本旅行業協会のデータによると、3月までに少なくとも中国だけで40万人に上るキャンセルが出ると予想されている。日本の航空会社は需要が急減したためフライトを一時欠航している。
日本政府は、自国の脆弱な経済に対するウイルス流行の影響について懸念を表明し始めた。2019年10〜12月期では、海外における日本の商品やサービスの売り上げが減少し続けたにもかかわらず、悲観的な予測に反して何とか緩やかな成長を見せた。
「観光産業と地域の中小企業への大きな影響を感じ始めている」と、安倍晋三首相は最近発言している。
政府は2月13日、ウィルス流行のため悪戦苦闘している企業支援に日本政策金融公庫に5000億円の緊急貸し付け・保証枠を設ける対策を発表した。これは、昨年12月に発表した13兆円規模の経済対策に続くもので、日本は増税と台風の後、景気後退を食い止めようとしている。
政府関係者によれば、昨年10月に行われた増税は、人口の急速な高齢化における公共サービス拡大支援と、先進国の中で最高額となる国債返済のために必要な動きである。しかし増税は消費減退とセットである。増税が実施された直後、台風19号が日本を襲い、莫大な被害をもたらし、経済活動をさらに停滞させた。
それでも昨年12月の工業生産高はわずかに増加した。しかし現在、コロナウイルスは日本の工業製品の重要な市場にとって深刻な脅威となっている。日本のメーカーは中国企業の主要な供給業者であり、精密工作機械からスマートフォン、自動車の部品に至るまであらゆるものを送り出している。
ウイルス流行の前でさえ、日本企業は中国の経済減速の影響に対処するため奮闘していた。原因の一部は、アメリカとの貿易戦争である。日本の中国への輸出は2019年時点で前年比7.6%減少している。