医師の李文亮に続いて、新型コロナウイルス肺炎の「告発者」とされるもう1人の武漢の医師が現れた。2月1日午前、華中科技大学同済医学院附属協和医院(以下、武漢協和医院)の腫瘍センター主任医師、謝琳卡医師が財新記者の取材に応じた。
伝染病を専攻していた謝医師はこのような病気に対して「警戒心が少し高い」ため、SNSの微信(ウィーチャット)グループで早期に注意を呼びかけた。
謝医師は、投稿したスクリーンショットが転送された後に、武漢警察から電話を受け「口頭で注意」されたという。警察から、虚偽の情報を流布しないように要請されたが、具体的な処罰は受けていない。周囲の人の多くは謝医師を支持している。
2019年12月30日、武漢衛生健康委員会が発行した『原因不明の肺炎に対する治療についての緊急通知』がSNS上で広まった。
注意喚起をした医師らは「告発者」と呼ばれた
そこには、武漢の多くの医療機関で原因不明の肺炎症例が相次いで出現し、肺炎が華南海鮮市場と関連しているということが書かれていた。この通知は、厳格な情報報告を求め、「いかなる機関及び個人も、許可を得ずみだりに治療情報を外部に発信してはならない」と強調している。
偶然にも、同じ日に複数の武漢の医師が微信グループで同じような情報を提供した。彼らの早期の注意喚起がスクリーンショットされ、広く拡散されたため、「ヒトからヒトへと感染する」ことがすでに明らかとなっていたこの肺炎は、一部の人々の間で早くから注目されていた。
1月20日以降、新型コロナウイルス肺炎の情況が急速に展開したため、人々は肺炎の発生源をさかのぼり、早くから注意喚起が行われていたことを知った。注意喚起をした医師らは、早期に事態を明らかにした「告発者」「早期警鐘者」と呼ばれた。彼らが置かれた状況も人々の関心の対象となった。
医師の中には、武漢市中心医院の眼科医、李文亮医師も含まれている。およそ150人の同級生仲間に「華南海鮮市場でSARS(重症急性呼吸器症候群)と診断される症例が7例見つかり、当院の救急科で隔離された」と知らせた。その後、職場での指導や警察の訓戒を受けた。(李医師へのインタビューの詳細は2月7日配信記事:『新型肺炎を武漢で真っ先に告発した医師の悲運』)
2月1日午前、実名のスクリーンショットで転送されていたもう1人の武漢の医師、謝琳卡医師も身元を公開することにした。
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