気になるのは、出生動向基本調査と本調査、双方の結果において、恋人のいる率が男女で10~15%ほど乖離している点です。この要因はいくつか考えられます。
ひとつは、未婚男女人口差で男余りであること(『「未婚男性」は未婚女性より340万人超多い現実』)、さらには、離婚の増加に伴い、離婚男が初婚女との再婚を繰り返すことが多く発生し、事実上の「時間差一夫多妻制」になっていること(『未婚男が割を食う「バツあり男」の再婚事情』)、などです。
しかし、果たして本当にそれだけが要因でしょうか。
未婚者のうち恋人がいる人口を推計
ソロもんラボ調査で明らかとなった各年代別の「恋人がいる率」と2015年の未婚者人口とを掛け合わせて、未婚者のうちの「恋人がいる人口=恋愛強者人口」を推計してみました。
結果は表のとおりで、20~50代未婚男女全体の単純な人口比較では男性が300万人多いですが、恋人あり人口は男性291万人に対し、女性330万人と女性のほうが39万人も多くなります。年代別に見ると、30代以上はすべて男のほうが多いのに対して、20代だけ女性のほうが51万人も多いのです。
もちろん、彼女たちの恋愛対象は未婚者だけではなく、離婚や死別を経験した独身者もいます。が、仮に、恋人の有無にかかわらず20~30代の離別・死別男性を全員合計しても24万人にすぎず、50万人の男女差を補えるほど多くありません。理屈上、女性が10代の男性または60代以上の男性とお付き合いしていることも考えられますが、それにしても無理があります。つまり、どう考えても数が合わないのです。
結論から言えば、これは、恋人ありの未婚男性が複数の未婚女性と付き合っているか、または、未婚女性が付き合っている相手が既婚男性であるということになります。もう1つ、男性側には恋人である意識はないが、女性側だけが恋人同士だと思い込んでいる可能性もありますが、今回は複雑になるので省略します。要するに、この男女差は男性の二股、三股および既婚男性の浮気疑惑ということになります。
週刊誌では途切れなく芸能人の浮気ネタが記事化されていますが、そもそも一般の既婚男性の浮気率とはどれくらいのものでしょうか。調査したところ、グラフの通り、20~50代にかけて男性はおおむね3割前後、恋愛強者率と一致します。恋愛強者は浮気もする傾向があるのです。未婚男性の恋愛強者率と違うのは、20代から50代へと年代が上がるごとに浮気率も上昇するという点です。
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