そもそも日本政府って倒産しないの?
借金を返す3つの方法
では、どうやって借金を返すのか?
当たり前のことを当たり前にやるだけです。
1.使わない資産を売る(家計ならば、車やマンションを売るのでしょう。日本政府の資産は700兆円(注)くらいあるとの試算もあります。)
2.支出を減らす(まずは、「競争入札の徹底」です。政府の契約の約7割が入札をしていません。これを入札にするだけでも3割は契約額が下がると言われています。それと合わせて、人件費の圧縮も必要でしょう。国会議員の給与と数を大幅に減らした上で、公務員給与の削減をすべきだと思います。)
3.それから増税です。今の自民党の総裁候補者の中には、上の2つに言及しないで「突然増税」を言う人がいますが、これは大きな問題ですね。
これらのことをやってもおそらく30年以上はローン返済に時間がかかると思われます。
なんといっても、月給40万円で5000万円の借金をしていますから!
注:平成17年9月に公表された「国の財務書類」(平成15年度)によると、政府(一般会計と特別会計(平成16年度に廃止されたものは除く)の合計)の資産は695兆9,231億円
2つの最悪シナリオ
あまり考えたくないですが、「戦後よ再び」ということです。つまり、国民資産の凍結とインフレによる借金減らし、です。
1944年度の政府債務総額(戦時保証債務を除く)は、国民所得の2.6倍でした。そこで起きたのは、なんと物価4.5倍(1944年→1945年)という超インフレ(「復金インフレ」と呼ばれます)です。結局、お札は紙切れになってしまいました。このインフレは、復興金融公庫の債権を日銀が引き受け、日銀券を増発したため発生しました。国債を日銀が買っている今の状況に似ていませんか?
そして、もう一つのシナリオがこれです。
1946年7月、GHQの指示により、日本は以下の法律を策定しました。
1.会社経理応急措置法:企業勘定のうち現金・商品など確実な資産を新勘定に移し、戦時補償請求権などは旧勘定とし凍結
2.金融機関経理応急措置法:封鎖預金を第一封鎖預金と第二封鎖預金に分類し、後者を旧勘定とし凍結。
3.金融機関債権整備法:戦時補償打ち切りにともなう金融機関の損失の処理を図るため、新勘定の評価替え、旧勘定の整理、損失の処理を定める
難しい文言が並んでいますが、大まかに言うと、これらの法律は「会社と国民の預金を凍結し、国の借金返済に充てる」ことを意味しています。
この情報はあまり世間に流れていません。私が日銀の資料の中から見つけ出したものです。皆さん、財政問題を良く考えてくださいね。そして、日本政府が最後の切り札(ハイパーインフレ、資産凍結)を切らないように、注意して見ていきましょう。
藤末健三(ふじすえ・けんぞう)
早稲田大学環境総合研究センター客員教授。清華大学(北京)客員教授。参議院議員。1964年生まれ。86年東京工業大学を卒業後、通商産業省(現経済産業省)入省、環境基本法案の検討や産業競争力会議の事務局を担当する。94年にはマサチューセッツ工科大、ハーバード大から修士号取得。99年に霞ヶ関を飛び出し、東京大学講師に。東京大学助教授を経て現職。学術博士。プロボクサーライセンスをもつ2女1男の父。
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