日本株は5GやIT好況だけでは上昇しない なぜ米株に「置いてけぼり」を食らうのか
「荒削りの議論であることを承知のうえでいえば、世界の株式相場の予想にあたってはもっぱら製造業の指標に着目するのも1つの手だろう」
前回、筆者が当サイトに寄稿した記事「2020年の株価予測でチェックすべき5つの指標」はこう始まった。
そのうえで、株価と連動性の強い製造業指標、具体的には製造業PMI(日本を含むグローバル)、世界半導体売上高、鉱工業生産(電子部品・デバイス)、工作機械受注等の動向をチェックし、それらが上向きつつある(またはその可能性が高い)ことを指摘した。2020年のメインシナリオは、製造業セクターの回復を株価が反映し、上昇傾向をたどるというものであった。その基本感は今も変わっていない。
消費増税通過後の国内経済に注意必要
とはいえ、製造業のデータに固執するあまり、大切なシグナルを無視してしまっては元も子もない。「発言がぶれている」との批判を恐れずに言うが、製造業だけをみていたのでは気がつかない変化もある。とくに消費増税という重要イベントを通過したばかりの日本経済は注意が必要かもしれない。
2019年9月以降、アメリカ株をアウトパフォームしつつ上昇した日本株は、ここへ来て再びその勢いを失いつつある。2020年は年初こそ順調な滑り出しを遂げたようにみえたが、1月下旬になって中国における新型肺炎の感染拡大が伝わると、その後の日経平均株価は下落基調に転じ、2月3日には2万3000円を割り込んでしまった。それでも2月6日にはようやく2万4000円一歩手前まで盛り返してはいる。
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