ホンダ「4代目フィット」乗ってわかった実力 2020年の国内コンパクトカー市場は激戦に

✎ 1〜 ✎ 39 ✎ 40 ✎ 41 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

走行性能はかなりいい。広大なテストコースで速度感覚が鈍りがちな状況でも、かなりの力強さが確認できた。インサイトではいわゆる段付きのないスムースな加速フィールを魅力とするが、新型フィットのe:HEVでは躍動感を高めるため、加速中、主に発電力を高めるために稼働させるエンジンの回転に有段ギヤのような「ステップ制御」を設けた。

わかりやすくいえば、加速中のエンジン回転が多段ATのように一定の回転数で下がり、そしてまた高めていくことで車速を上げていく制御で、スキーでストックを使って左右に向きを変えながら滑走するようなリズミカルな加速が体感できる。 

特徴の1つである「エンジン直結モード」

e:HEV(i-MMD)はシリーズハイブリッド方式であるため、普段は内燃機関(新型フィットの場合は1.5Lガソリンエンジン)で発電して電力を生み出し、その電力で駆動モーターを稼働させタイヤを回し走るのだが、e:HEV(i-MMD)では特徴のひとつとして「エンジン直結モード」が設けられている。

このエンジン直結モードは主に高速走行時に用いられ、ドライバーはなにも操作せずとも条件が整えば自動的に制御が入る。エンジンで発電して電動モーターを回すよりも、エンジンの駆動力を直接タイヤに伝達するほうが高効率である走行状況があることから考えられた機構。

同じくシリーズハイブリッド方式である三菱「アウトランダーPHEV」にも、同様の意義から前輪をエンジン(状況により電動モーターも加わる)、後輪を電動モーターでそれぞれ駆動するパラレル走行モードとしてエンジン直結モードが用いられている。

e:HEVでは、走行状況や車両負荷、バッテリーの充電状態などにもよるが今回の試乗では90㎞/hを過ぎたあたりからの巡航時(アクセルをそれほど踏み込んでいない状態のとき)にエンジン直結モードでの走行に入りやすかった。

その際、他モデルが搭載するi-MMDと同じく、モーター/エンジンの切り替えは意識していてもほとんど体感できず、車載モニターで確認していなければわからないほど自然。急加速を行うためアクセルをグッと踏み込んだ場合や、速度が落ちてきて電動モーターでの駆動が高効率であるとシステムが判断した場合には、これまた自動で制御が入りシリーズハイブリッド方式で走行する。

次ページガソリンモデルはどうか?
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事