世界でバズった「毎日3つ選ぶだけ」幸福術 アンバランスになれば仕事もオフも楽になる

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のちに私は、このジレンマが起業家だけのものではないと気づいた。それは、みんなのジレンマだった。職業、住んでいる場所、背負っている責任は違っても、だれもがすべてを手にしようと、少なからぬ犠牲を払い、何かに取り組み、エネルギーを費やしている。

しばらくして私は、それを「起業家のジレンマ」から「ピック・スリー」と言い換えた。この呼び方なら、もっと多くの人に自分の問題だと感じてもらえるし、よりわかりやすくアイデアを伝えられると思ったのだ。

ピック・スリーのルール

私が提唱するピックスリーのルールは簡単だ。まず、自分の人生にとって欠かせない大切なカテゴリーを5つ選ぶ。そして毎日、その中から3つを選び、実践する。それだけだ。

最初に断っておくけれど、あなたは5つぜんぶを選べない。今日だけでなく、どんな日にも。ピック・スリーの達人になりたければ、「選ぶのは3つだけ」と腹をくくろう。

それから、選ばなかった2つについて、1秒たりとも罪悪感ややましさを抱かないこと。明日になれば(もしくは明後日、でなければ来月)、また選ぶチャンスはあるから。選べる日はきっとくる。その日に集中するカテゴリーは、毎日新しく選ぶ。前日と同じ3つを選んでもいいし、気分を変えて別の3つを選んでもいい。どれを選ぶかは、完全にあなたの自由。平日のピック・スリーと週末のピック・スリーが違ったり、夏のピック・スリーと冬のピック・スリーがあったりしてもいい。もちろん、毎日変えてもいい。

どう組み合わせても、ピック・スリーなら、短期的な選択と長期的なバランスの両方で最高の結果を得られる。

と、ここでこんな声が聞こえる。「ランディ、私は5つ選べますよ! 友人と一緒に運動して、通勤中に母に電話すればいいんでしょ。これで運動、友人、家族を選べるから、残りは2つ!」

確かに、ときどきなら選べるだろう。1日か2日、ぜんぶできる日があってもおかしくない。ただし長く続けられるかどうかは別の話だ。

5つをうまくやろうとしたら、行き着く先は、完全な「燃え尽き症候群」だ。すべてを高いレベルでなし遂げるのは並大抵のことではない。仕事、睡眠、家族、運動、友人を、毎日ちょっとかすめる程度ならできなくはない。でも、5つのカテゴリーをぜんぶ、しかもたった1日でやろうとしても、本当に深いレベルでは何も達成できないだろう。

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