欧州「鉄道パス」、1週間で何本の列車に乗れる? 高速列車や夜行を駆使して世界遺産を巡る

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長きにわたるユーレイルパスの旅も、いよいよ佳境へ。モン・サン・ミシェルへはパリから日帰りで来られる方も多いですが、せっかくですのでゆったり宿泊・写真撮影を堪能!

モン・サン・ミシェル修道院の内部(写真:ホリプロ)

島全体をガイドツアーにて見学したのち優雅に昼食をいただき、鉄道旅としては少し遅めの午後出発。14時41分発の「TER(テーウーエル)」こと在来線急行列車でレンヌ駅へ向かいます。3度目のTGVに約1時間半揺られ、再びパリ・モンパルナス駅へ到着です。

パリの夜を堪能した翌日は、いよいよ最終日。ユーレイルパスで巡る世界遺産の旅も、まもなく終着駅です。

まずはパリ・モンパルナス駅から列車で約20分、ヴェルサイユ・シャンティール駅へ。ヴェルサイユ宮殿にアクセスする前に街歩きをして事前学習! 街のいたるところにフランス革命をはじめとした歴史的な痕跡が残されているため、一回りしてから足を運べば理解もより深まります。

広大さを実感できる列車の旅

ヴェルサイユ宮殿は、ご存じのとおり1661年にルイ14世により建設された王宮で、フランス・バロック様式の最高傑作と讃えられています。

今回たどったルート。アプリで表示できる(写真:ユーレイルGIE)

幾何学模様を特徴とするフランス式庭園も、もちろん世界遺産。昨年リニューアルされたばかりのため人気も高く、世界各国から足を運ぶ観光客で大にぎわい。敷地自体も広大なため、じっくり見学するなら1日がかりになります。また、モン・サン・ミシェル同様に、登録年が1979年と極めて初期に認められた名遺産でもあります。

こうして、数ある世界遺産を結ぶようにユーレイルパスを駆使して鉄路を巡ってきましたが、その壮大な歴史をさかのぼったような不思議な感覚に陥ります。

ヨーロッパは、その国数の多さもあってリピート観光の多いエリアでもありますが、テーマを持って旅に出る醍醐味をかみしめるのも、いいものですね。数年前に取得した世界遺産検定(実は2級を取得済み)で学んだ知識も旅に彩りを添えてくれました! 何でも関心を持って学んでおくものです(笑)。

さて、駆け足でお届けしましたが、1週間にわたるユーレイルパスの旅。お楽しみいただけましたでしょうか?
鉄道で巡る旅の1番の魅力は、ピンポイントでめぐる航空機の旅と比べ、土地の広大さを体感として“そのまま”感じられるところ。文化や歴史が入り組み、それぞれが影響を受け合い融合して成り立つ欧州だからこそ、味わえるこの独特の空気観。今回の旅のように、入国はイタリア、出国はフランスとアレンジするのも旅の自由度が高まるのでお勧めです。
56年ぶりの自国開催となる夏季オリンピック・パラリンピックを前に、ぜひ見識を広げるべく世界の鉄道旅へでかけてみてはいかがでしょうか?
(衣装:ディノス・セシール、EUROPEAN CULTURE)
久野 知美 女子鉄アナウンサー

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くの ともみ / Tomomi Kuno

フリーアナウンサー、女子鉄。ホリプロ所属。旅行が趣味で、大学時代よりアメリカ・イタリア・インドネシア・コスタリカなどさまざまな国を訪問。国内は「青春18きっぷ」でおトクに巡る派。鉄道関連のTVやラジオ・イベントでMCを多数務め、テレビ朝日「お願い!ランキング」ほかゲスト出演も。

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