駅や電車、訪日客への「情報提供」は何が必要か

英語の案内板があっても見づらいことが多い

北海道新幹線H5系の英語案内(編集部撮影)

シンプルながら意外と難しい課題が駅・車内での外国人観光客への情報伝達だ。スマートフォンでさまざまな情報を入手できるようになったとはいえ、今でも駅や車内にある案内表示器を見つめる外国人観光客を目にする。筆者の体験も踏まえながら、外国人観光客と駅構内や車内にある案内表示器との関係について見ていきたい。

車内案内表示器は必須の時代

冒頭の写真のように新幹線の車内では、扉の上に大きく英語案内が表示されるので比較的わかりやすい。しかし、そうではないこともある。昨年、ポーランド人の友人と一緒に京都市内を走る路面電車「京福電鉄(嵐電)」で四条大宮駅から7駅先の帷子ノ辻駅(かたびらのつじ)まで乗車した。車内は混雑が激しく、前方にある車内案内表示器を見ることができない状況だった。友人は何回も筆者に「降車駅まであと何駅か」と尋ねた。後方の車内案内表示器は支払い方法の案内に終始し、行先や次駅は表示されなかった。

数年前、京都と奈良を結ぶJR奈良線に乗車した際、隣に座っていた東南アジアからの観光客に「なぜ、先進国である日本に車内案内表示器がないのか」と言われたこともある。乗車した車両は旧国鉄型の103系ということもあり、英語放送はあったが車内案内表示器は設置されていなかった。

このようにスマホ全盛の時代であっても、外国人観光客は車内案内表示器を頼りにする。人間が外界から得る情報の8割から9割は視覚に基づくといわれているから、人間は無意識に聴覚よりも視覚を頼りにするのも納得がいく。経路検索アプリ「グーグルマップ」と車内案内表示器を照らし合わせることで降車駅を確認することを考えれば、何かしらの車内案内表示器は必須といえる。

首都圏では車両更新が進み、ほとんどの車両で車内案内表示器が設置されている。関西圏でも車両更新は進んでいるが、首都圏と比べると設置されていない車両は多い。現在でも未設置の南海7100系は、外国人利用者が多い難波と関西空港を結ぶ「空港急行」を担当する。

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