第1回 製造業の地産地消で、海外勤務は必須

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質問2 一生勤められる安定した会社はどこですか?

これは非常に難しい質問です。

参考に、企業の人気ランキングを見てみましょう。
 1980年の文系の就職人気企業は次のようになっています。

1位 東京海上火災
2位 三井物産
3位 三菱商事
4位 日本航空(JAL)
5位 日本放送協会(NHK)

では最近の2012年はどうでしょうか。

1位 JTB
2位 全日本空輸(ANA)
3位 資生堂
4位 オリエンタルランド
5位 三菱東京UFJ

となっています。

両方のランキングに入っている企業は1社もありません。これは理系も同じです。

このランキングだけを根拠に何かを言うのは荒っぽすぎるとは思いますが、就職人気企業は、ある意味、その当時の企業の勢いを知るのには有効です。

そういう眼で見ると、就職したときに輝いている企業が、20年あるいは30年後、学生の皆さんが会社をしょってたつ管理職になる頃まで輝いていると限りません。

ちなみに、1998年から2002年の間、文系、理系とも1位の座にあった企業はソニーでした。いまでは、ソニーはその当時の威光はありません。

一つの会社で一生勤め上げるという生き方がどんどん難しくなっている以上、どこの会社に入るかよりも、自分の特性を生かせて、それを自分の強みとして磨いていける就職先を見つけることが重要だと思います。

中村 吉明 九州工業大学客員教授

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なかむら よしあき / Nakamura Yoshaiaki

1987年早稲田大学大学院修士課程(建設工学)修了。同年通商産業省(現・経済産業省)入省。以後、イノベーションや産学官連携などの実務と理論研究に携わる。この間、1996年にスタンフォード大学大学院留学(経済工学修士)。2001年に東京工業大学にて経営工学専攻の博士号取得。経済産業省立地環境整備課長を経て、現在、産業技術総合研究所企画副本部長、九州工業大学客員教授などを務める。
著書に『これから5年の競争地図』『日本の水ビジネス』『ゲームが変わった』(以上、東洋経済新報社)など。

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