大混雑、「江ノ電」の運行本数は増やせるか? 列車の行き違い設備を作れば解決するが…

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海沿いを走る江ノ電は沿線の観光スポットも多い(筆者撮影)

江ノ電こと江ノ島電鉄線は、藤沢から江ノ島を経由して鎌倉に至る10kmほどの路線で、沿線には江ノ島・七里ヶ浜・鎌倉大仏殿高徳院・長谷寺・極楽寺・成就院といった数多くの観光スポットが存在している。

休日ともなると観光客が押しかける状態で、ゴールデンウィークやアジサイの開花時期といった観光シーズンには利用者が駅にあふれ、入場制限を行って観光客をさばいているのが現状だ。

鎌倉市が行った社会実験

江ノ電では混雑状況を同社のホームページで公開することがあり、2020年1月13日(14時現在)の例では鎌倉駅で45分程度の待ち時間が生じたという。江ノ電の全15駅のうち、藤沢・江ノ島・長谷・鎌倉の4駅の利用が多いが、これらの駅で入場制限を行うことがあり、特に長谷―鎌倉間が江ノ電の最混雑区間になっている。

この区間が混む理由は、江ノ電周辺の地図を見れば歴然とわかることで、藤沢―江ノ島間では小田急江ノ島線が並行しているほか、江ノ島へは大船から湘南モノレールで行くこともできるが、鎌倉へは江ノ電を利用するのが最も便利だからだ。

こうした混雑を踏まえ、沿線の鎌倉市では江ノ電の混雑時に沿線住民の移動を円滑にするため、沿線住民等が鎌倉駅構外に並ばずに駅構内に入場できるようにするための社会実験を行っていて、2017年からゴールデンウィーク中に実施している。

これは、市が事前に発行した江ノ電沿線住民等証明書を提示することで、駅構内に入場できるようにするものだが、このような社会実験を行わなければならないほど、江ノ電の混雑は慢性化しているといえるだろう。

こうした混雑を緩和するためには江ノ電の輸送力を増やせば良いのだが、現状の設備では江ノ電の輸送力を増やすのは難しい。

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