YUTA:あれも面白いですね。人工肉は世界中でブームになりつつあります。わたしも注目しているところではあります。ただ投資としては難しいかなと。なぜかというと、いろんな業種が参入していますよね。ものすごい需要があるので売り上げ成長率はすごいです。でも、例えばネスレ、日本では日本ハムなど大きな企業が入ってきたときに、ライバルに勝てる経済的な堀(参入障壁)があるのかどうか。なかなか手が出せないなあと思っています。
編集部:いずれにしても需要はあるので、人工肉は注目ですね。続いて、2020年の株式相場はどうみていますか?
YUTA:しばらくリスクオンで株価は上がるかなと思います。昨年のFRBの利下げが株高につながった相場の転換点でした。インフレ率をみながらですが、金融緩和の状況を維持するといっています。ですので、特に大きなことがなければ株価は上がっていくと思います。ただ一点わからないところがある。大統領選挙が終われば、FRBは自分たちがやりたい金融政策がやりやすくなるので、金融政策を変更するのではないか。そうなると様子がわからなくなる。
Yuki:わたしも同じです。大統領選挙までは株価は上がると思います。ただ去年ほどの伸びはないかなと思います。いっても2ケタいくかいかないか。大統領が代わるにしても代わらないにしても、FRBが政策変更すれば、そこが節目になる可能性があるとみています。
YUTA:ふと頭をよぎったのですが、年末までに市場は利下げを見込んでいる。CME(取引所)のサイトをみると、FFレートは、現状維持より下がると予想する人が多い。なぜだというところはわたしも理由がわからない。でも疑問を持ちながら気になってずっとみています。
たぱぞう:金利は据え置き。プラスマイナス0.5%というところ。マイナスもありますよね。あと為替は1ドル110円をはさんでプラスマイナスの動き。これもレンジになってきそうです。株価もS&P500は3200が軸になってきそう。これはテクニカルでみていっていますが。
例えば去年並みの伸びで3600というところまで突き抜けるとすると、もうひとつ材料が欲しいなというところですね。今の政権はなにがなんでも株価を上げようというシグナルを明確に発している。そこは間違いないと思いますね。
みなさん好きなP&Gやスリーエムは業績がすごくいいわけではないけど、ものすごく買われている。わたしからいうと、P&Gは買われすぎている。ここらへんがちょっと是正が入れば、相場の目線は変わっていることがわかるとみています。フェアバリューを意識しているなと。サザン・カンパニー、P&G、マクドナルドなど債券の色彩が強い銘柄は、債券の人気と歩みを同じくしている。
個別企業の株価をどう見るか?
たぱぞう:去年はハイテクが強いのでパフォーマンスがトップですが、一時的に(ディフェンシブ性の強い)公益銘柄がトップになったことがあった。あれは面白いなとみていました。この巻き返しがあれば、アマゾンやグーグルは面白いと思います、ただそこまで決算がキャッチアップするかいう点が注目ですね。
YUTA:P&Gは、今は株価が高すぎて買えないですよね。ブランド選別がうまくいって結果がでてきたことも大きい。
ゆーたん:2018年の夏が安すぎたと思います。生活必需品が全体的に下がっていた。利回りが3.5%もあるのかと思って買った記憶があります。
編集部:あらためてみると、P&Gは1株当たり利益がアナリスト予想を下回ることがほとんどないですね。ここ5年ぐらいでは、2014年に1回だけ四半期でミスショットしただけで、決算は確実に期待を上回っています。
たぱぞう:P&Gが上がったら、許してください(笑)。
編集部:個別銘柄では、ほかに注目する銘柄はありますか?
YUTA:保有している銘柄ですが、フェイスブックは面白いかなと思います。ハイテクの銘柄は買われていますが、売上高成長率が高く、利益率も高いのにそんなに買われていない。チャンスはまだあると思っています。成長率は鈍化しているが、PERでみてもまだ割高ではないと判断しています。
編集部:フェイスブックをとりまく状況は決してよくないですね。(注:1月29日に生体認証を巡る集団訴訟の決着で、アメリカにおける同様事例では過去最大級となる5億5000万ドルを支払うことに合意。同日発表した決算では過去最高だったが、株価は急落)