日本人の「ドバイ留学」が最近注目集まる理由 大人が初めてイスラムカルチャーを学ぶ機会

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ドバイの語学学校の特徴として、授業のスタイルは、レベル分けされたクラスで指導資格を持ったネイティブ講師から学ぶ欧米式の授業スタイルです。

実際の授業風景(写真:ES Dubai提供)

校舎も明るい雰囲気で、最先端の設備であるインタラクティブ・ホワイトボード(電子黒板)を標準装備していたり学習の環境は非常に整っています。

日本人を含めアジア人の構成比が少ないので、多国籍な環境で学ぶことは、日本の社会人にとって、とても新鮮に感じられることでしょう。

気になる文化や習慣の違いは大丈夫なのでしょうか。

「日本の社会人の方が不便に思うことが多いのは、気軽に飲酒ができないことくらいでしょうか」

日本では20歳以上であればお酒をコンビニでも購入できますが、ドバイは21歳、ホテルやクラブなど許可された特定の場所でのみお酒を飲むことが許されています。留学とはあまり関係がないかもしれないですが、ドバイではイスラム法に基づいた刑法が適用されるため、飲酒のほかに婚前交渉は違法となります。以前日本人のカップルがビーチでその疑いをかけられ検挙されたニュースもありましたので、念のため留意しておいたほうがよさそうです。

ほかにも気をつけるべき点としては、ラマダン(断食月)があり、日中は公共の場所での飲食は禁止となります。ただし、観光客や留学生などの非イスラム教徒はショッピングモールのフードコートやチェーン店などで飲食可能ということです。

2020年は4月23日〜5月23日で日本のゴールデンウィークにも重なります。留学の渡航時期を決める際には、毎年変わるラマダンの時期を事前にチェックしたほうがいいでしょう。

現地人エミラティの存在

一夫多妻制のドバイでは、巨大なショッピングモールに行くと、エミラティ(在来のアラブ首長国連邦の国民)の男性が複数の妻を連れて買い物をしている姿なども目にすることがあるそうです。

彼らエミラティのほとんどは公務員で年収2000万円くらいということ。高給な職業である公務員はエミラティしかなれず、また所得税が免除されるなどの特権が与えられているそうで、実際に留学した社会人の方も、次のような印象を持ったようです。

「タクシードライバーはインド人・パキスタン人で、モールへ行くと接客はほとんどがフィリピン人です。人種による格差が大きく、一部の階層がドバイを支配している構造に驚きました。外食もしましたが、ドバイモールなどで食べると結構高くて閉口しました。一方で、寮近くのアラビックな食堂は大変安く、ここもドバイの光と闇を見た気がします」(T.Aさん30代男性)

郷にいれば郷に従うということで、現地の文化を尊重するという姿勢を持つことが、大切な要素のようです。

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