日本の「eスポーツ」が世界に遅れる根本理由 プロライセンス制度は本当に必要なのか

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ようやく回答が得られたのは、2019年12月3日の岡村会長への取材でのこと。岡村会長は、カプコンの大会で優勝賞金が減額された理由について「消費者庁からの回答を得る前に大会の申し込みを締め切っており、急に賞金を出す条件を変えたら不利益を被る人も出てくる。本当にタイミングが悪かった」と弁明した。

JeSUの岡村会長は今後、プロライセンスを大会出場のシード権付与に活用することも検討するという(撮影:今井康一)

その上で、「JeSUが最も大事にしているのは、必ずしも日本の社会でポジティブに評価されていないゲームの印象を改善し、合法的にeスポーツを普及させること。自分たちのライセンス制度を何が何でも既得権益化したいという意思は、まったくない」(同)と力を込めた。

さらに、「プロライセンス制度によらない賞金付き大会を開催する可能性が拡大した今、ライセンスの新たな付加価値を考えていきたい」(同)と語った。実際、2019年11月末に開催されたコーエーテクモ主催の「DEAD OR ALIVE 6」の大会では、JeSUの承認のもとでライセンス制度によらずに賞金の授与が行われている。

ライセンス制度の縛りは残る

かといって、これで国内のeスポーツ大会からライセンス制度による縛りが一掃されるかというと、そうとも限らない。そもそも、大会の参加者を限定しないオープン参加型の大会では、賞金の受け取りにプロライセンスが必要だ。

さらに、カプコンに今後開催する大会での賞金授与の方針を質問したところ、「JeSUによる関係先との協議も踏まえながら、法的に問題のない形での大会開催を図る。必要に応じて、JeSUライセンス制度の活用を検討する」との回答があった。別の1社は、「今後の方針はまだ決まっていないが、業界で足並みをそろえていくつもりだ」と答える。

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