「au三太郎」の自由なCMが今年も1位獲得の強み 富士フイルムや花王、期間限定CMも人気に!
3位は富士フイルム『instax』。おなじみの「お正月を写そう」というサウンドロゴに始まり、広瀬すずと松島幸太朗ら6人のラグビー日本代表が“ラグビー七福神”に扮して登場するにぎやかで縁起のよさそうなCMだ。彼らが華やかな衣装に身を包んで写真撮影を楽しむ様子に、屈強なラガーマンのイメージとのギャップがほほえましいと支持を集めた。
モニターコメントには、同社のCMに40年間出演していた樹木希林さんを懐かしむ記述も散見され、長年に渡って築き上げたブランドとタレントとの絆の強さを示す結果となった。
7回のオンエアで消費者の印象に残るCMに!
そのほか9位には花王『アタックZERO』の元日限定CMが入った。昨年大ヒットしたCMシリーズの新作で、松坂桃李、菅田将暉ら“#洗濯愛してる会”のメンバーが、つらい出来事にぶつかりながらも洗濯することで気持ちを一新し、5人そろって神社にお参りをするというストーリーだ。
「衣服を清潔にする」という洗剤の機能的な側面だけでなく、心も新たに1日のスタートを切れるといった情緒的なベネフィットを60秒の長尺でエモーショナルに描いた。わずか7回のみのオンエアにもかかわらず、「すごくわかる!!みんながんばっているんだなと思う」「最後の『洗うことは1日のはじまり』的なメッセージがよかった」と共感を得た。楽曲には童謡の『にじ』を採用。「♪君の気分も晴れて きっと明日はいい天気」といった前向きな歌詞がCMのストーリーを引き立てた。
11位は、2位に入ったどん兵衛のセルフパロディーCMだ。同社『ラ王』のCMでたどたどしく商品を紹介するかわいらしさが注目されたふたりの子役がそれぞれ星野、吉岡と同じ役柄を演じるもので、舌足らずながらも懸命に話す姿が視聴者の心をとらえ、わずか2回の放送ながら大きな話題となった。
またアサヒビール『スーパードライ』の新作が16位につけた。息子役の菅田将暉と、息子の帰省を心待ちにしていた父親役の小日向文世がうれしそうに乾杯をするシーンを映し、とくに親世代から共感を集めた。モニターコメントを見ると「都会での慌ただしい生活から離れ、親子でビールを飲むシーンは家族の温かさを感じた」「仕事のつらさを知った息子とのビール、親子ともにリフレッシュ、いいですね」とコミュニケーションツールとしてスーパードライを描いた点が評価されたようだ。
年の瀬や年始らしさのあるCMが上位に並ぶのは例年どおりの傾向だが、今回のCM好感度上位の顔ぶれを見ると、視聴者は商品の利便性や性能のみならず、商品により得られる情緒的な価値も重視していることが読み取れる。
モノの差別化が難しい現代において、プロダクトのみで消費者の心を動かすのは難しい。商品・サービスに携わる人々の思いや熱量、消費者との結び付きがブランドを強くしていく。今後は企業やブランドの哲学への共感が、商品の選択ひいては購買の動機としてますます大きな意味を持つのではないだろうか。
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