意外と取っている「加工食品中の砂糖」の弊害 まずは7日間「砂糖抜き」をやってみよう

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加工食品に含まれる砂糖などの糖が肥満増加の「主犯」だと考える専門家は多い。だが普通の体重の人々も、糖の取りすぎと関連した健康上の問題と無縁ではない。15年間にわたる研究で、加工食品からの糖の摂取が多いと心臓病のリスクが倍増することが明らかになっているが、これは太っていない人にも当てはまる。加工食品に含まれる糖は2型糖尿病やがん、脳卒中やアルツハイマー病との関連も指摘されている。

また、加工食品に含まれる糖の取りすぎは、酒の飲みすぎと同じように肝臓に悪い。アメリカ人の成人の3人に1人、子どもの13%は非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)に罹患しているが、これも加工食品に含まれる糖が関係する病気で、患者の数は増加している。場合によっては死に至るような重篤な肝臓疾患につながりかねない病気でもある。

「砂糖腹」になりやすい糖

酒の飲みすぎと関係のある「ビール腹」はよく知られているが、加工食品に含まれる砂糖の取りすぎも同様に、腰囲より胴囲のほうが大きい「砂糖腹」の原因となりうる。

砂糖腹になりやすいのは、体が使う量を超えた果糖(糖の一種で果物に含まれるだけでなく、多くの加工食品にも使われている)を肝臓が検知することが繰り返される場合だ。肝臓は余分な果糖を分解して脂肪球に変える。脂肪球は血流に乗って運ばれ、内臓の周囲や腹のあたりに蓄えられる。

だが、砂糖などの糖は天然由来の食品ではないのか――。これはよく砂糖業界が使う反論だ。だが、現代人の多くが加工食品から糖分を摂取する場合、自然や天然といった言葉はまるで当てはまらない。

食べるのがイチゴなどの果物であれば、体内に取り込まれるのは自然な状態の果糖であり、糖の吸収を遅らせて急激な血糖値の上昇を防ぐ食物繊維や、さまざまな微量元素も一緒に摂取できる。つまり果物を食べるのは問題ない。人体は果物から摂取される果糖には十分対応できるのだ。

だが「超加工食品」や、飲料に含まれる果糖はトウモロコシやサトウダイコン、サトウキビから作られ、製造過程で食物繊維や栄養分はほとんど除去されてしまう。吸収を遅らせる繊維がないから、体に悪影響を及ぼす可能性のある大量の果糖がまとめて体に取り込まれることになる。

加工された果糖を大量に摂取していると、食欲を抑制する働きがあるレプチンというホルモンに対する体の反応が鈍くなることがある。糖の取りすぎは「レプチン抵抗性」と呼ばれる状態を招きかねない。「食べるのをやめろ」というメッセージを脳が受け取らなくなるので、体重増につながってしまう。

さらに、加工食品や飲料に含まれる果糖が依存症を起こしやすいことも専門家の間では常識になりつつある。脳の画像分析研究により、果糖が脳内のドーパミン神経系(人が快楽をいかに体験するかを制御している)に影響を与えることが明らかになっている。

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