インフレVSデフレ、どちらが起業しやすい? デフレで企業淘汰が進めば、起業は増えるのか

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以上は中小企業庁の解説を参考にしたので、興味がある方は、ぜひご参照いただきたい。

もう一度まとめると、それぞれ統計に問題があり、どれが正しいかは微妙なところだ。ただ、(1)バブル期の開業率は、上昇と低下の双方のデータがある。(2)いずれのデータでも、1990年代後半以降開業率はほぼ横ばいである一方、デフレが本格化してからは、廃業率が上昇している。

少なくとも、「廃業率が上昇しても、それが開業率の上昇にはつながっていない」とは言えそうだ。ということは、既存企業の淘汰が進むデフレ不況の方が、起業や新たなビジネス勃興に望ましいというより、成長率が高い好景気の方が(仮に淘汰が少なくても)、開業のチャンスが広がる状況といえるのではないか。

アベノミクスによる脱デフレの成功によって、起業の機会が自然に広がるし、日本経済は活性化するだろう。

村上 尚己 エコノミスト

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むらかみ なおき / Naoki Murakami

アセットマネジメントOne株式会社 シニアエコノミスト。東京大学経済学部卒業。シンクタンク、外資証券、資産運用会社で国内外の経済・金融市場の分析に従事。2003年からゴールドマン・サックス証券でエコノミストとして日本経済の予測全般を担当、2008年マネックス証券 チーフエコノミスト、2014年アライアンスバーンスタン マーケットストラテジスト。2019年4月から現職。

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