遺品整理のプロが見た悪質業者が跋扈する実態 現金や美術品などのお宝も掘り出されるが…
トラブルを避ける方法としては、インターネットで申し込んで終わりではなく、業者に電話をして対応を見ること。見積書の明細などを発行してもらうなど、とにかく細部の確認を怠らないことが重要だと屋宜氏は指摘する。
遺品整理の未来
遺品整理業界の最大の問題は、まだ比較的新しい業界のため、明確なガイドラインや法整備、監督官庁が決定していないことだろう。少しずつ悪徳業者の淘汰は進んでいるが、サービスの向上には至っていないと屋宜さんは指摘する。
「わかりやすい比較が引越し業者ですね。彼らは決められた納期と料金で競合している。しっかりと制服に身を包み、少人数でプロの仕事を提供する。ところが遺品整理の現場では、私服で短パンのようないでたちの男性が10人くらいで押しかけて作業するというようなこともある。また、納期も1日のはずが、1週間かかったという話もよく聞きます。プロ意識の低さを変えていかないと、業界の発展はないと思いますし、今がその転換期です」
取材の最後に、屋宜さんは嘆きにも似た口調でこう締めくくった。
「高齢化が加速していく日本では、遺品整理の仕事は必ず需要が増え、社会的にも必要な仕事です。一部の悪徳な業者の存在により不信感が消費者に浸透しつつある。業界が正常化するにも、最低5年ほどの歳月が必要です。だからこそ今の段階で手を打たないと、この業界が無くなってしまう危機感も持っているんです」
過度期を迎え、悪徳業者の淘汰は今後進んでいくだろう。その一方、利用者側が正しい知識を持ち対応策を把握することは、安楽な終活へとつながる最善策でもあることを覚えておきたい。
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