「米vs.イラン」NY在住者の偽らざる受け止め方 全米最大の都市は一連の事態にどう反応したか
全体的に、事態の展開に困惑しながら、様子をうかがっている雰囲気。「テロ行為など、自分たちに直接の被害がおよぶことは心配していない」という意見が多かったものの、アンチ・トランプ派には、トランプ大統領の決定に対して、「やはりトランプは」という怒りの空気が漂っていた。
ニューヨークでも、ワシントンD.C.やイギリスと同様、1月4日には反戦デモが行われ、タイムズスクエアに250人以上の人々が集結。「No War」を掲げ、政府に抗議した。
今回の事態で、株式市場も年始から大荒れ。ニューヨーク株式市場では、司令官殺害のニュースが流れた直後から、ダウ平均株価は値下がりしていたが、8日トランプ大統領の声明を受け、目先の武力衝突への可能性が後退したとして買い注文が広がり、ダウ平均株価は値上がり。また一時高騰した原油価格は値下がり、外国為替市場では円安となった。
アナリストたちは、短期的には軍事衝突から遠ざかったとしても、今後、サイバー攻撃など、ほかの形で紛争が続く可能性を警告している。
1月8日のウォール・ストリート。足早に金融機関に出勤する男性は、「トランプ・サポーターではない」としたうえで、一連の動きについて、「たいしたことではない。特に語るほどでもない」と苦笑い。
「世界でもっとも安全な場所なのでは」
「金融のことは詳しくない」という別の男性は、「中東との問題は今に始まったことではないので、なぜ急に騒動になったのかは疑問。ただ、これをきっかけにドラマティックなことが起きるとは思わない。ウォール・ストリート? 世界で最も安全な場所なのでは」と楽観的だ。
最後に、国連本部の近くで、キリスト教組織の運営に携わる女性に聞いた。「トランプに関しては、極端に二極化するので、これは家族とも友人とも極力避けたい話題ね。特にここは、各国の外交官、いろんな考えの人が出入りするので、話題にしないのがマナー。仮に話したとしても、トランプが嫌いな人は、彼のやることはすべて嫌い。トランプが好きな人は、戦争ですら賛成するでしょうね。人の意見を変えることはできないので、私にできることは、ただ、トランプが賢い選択をしてくれるように、そして平和が訪れるように、祈るだけ」。
ニューヨーカーたちは、事態の展開に困惑しながらも、比較的冷静に、様子見をしているという印象を受けた。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら