渋谷「かつお食堂」がお客を魅了する3つの理由

クラブに週4通い!元パリピ店長が語る魅力

「削りたてのかつお節を食べる機会はほとんどないと思いますが、醍醐味はやはり芳醇な香りです。かつお節は鮮度が命で、すぐに酸化してしまうので、味のフレッシュさも全然違いますね」

初見の客はみんな、「かつお節ってこんなに美味しいの!?」と驚き、すぐに笑顔になる。これは本当に美味しい。おみそれしました。

本物の“かつお力”

そのかわいらしい見た目からは想像がつかないが、かつおちゃんは自身の“かつお道”を極めるため、全国各地で武者修行を重ねた猛者。かつおにハマってからは、まず静岡県のかつお節専門店の門を叩いたという。

「私のかつお節への想いを店主に伝えると、かつお節の歴史や魅力を私に教えてくれて、『かつお節は日本人の味だから、いつか自分の子供にも伝えてね』とか、『どのかつお節がどの料理に合うか、いろいろ発見してみなよ』って私を鼓舞してくれて。それから本格的にかつお節の産地を巡る旅が始まりました」

(左)かつお食堂では、すべて職人が1つひとつ丁寧に手作りしたかつお節だけを厳選している(右)かつお食堂では、鹿児島、高知、静岡の生産者からかつお節を取り寄せている。作る人によってその味は違うのだとか。客にも味の特徴を丁寧に説明するのが、かつおちゃん流。生産者とも強い信頼関係で結び付いているのだ(写真:OCEANS)

かつお節の神髄を知るため、各地方の産地を“回遊”。訪ねた土地は沖縄・鹿児島・高知・三重・静岡・千葉・宮城などなど。職人が働く現場を手伝い、かつお節がどれだけ丹精込めて作られているか身をもって体感することで、知識もスポンジのように吸収していった。

かつお節を削るカンナにもこだわりがあり、20個ほどストックがあるという。今も月イチで新潟県のカンナ職人を訪ね、メンテナンス方法などを学んでいるという。かつお節に関することには一切妥協がない(写真:OCEANS)

「かつお節の削り方も、各地を巡る旅の中で出会った人たちに教わりました。『田舎にはまだ、きっと自分でかつお節を削っている年配の方々がたくさんいるはずだ』と考えて、削り器を片手にいろんな地方を訪ねて、道行く人を捕まえてはかつお節の削り方を聞いて回ったりもしました」

こうして本物の“かつお力”を身に付けていったかつおちゃん。かつお食堂で使っているかつお節も、すべて彼女自身が訪ねて回った全国の職人による手作りのものだけ。野菜などではよく「顔の見える生産者」というが、かつお節でのそれは前代未聞。もちろんいい意味で、である。

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