ゴーン逃亡、「自家用機」出国がザルすぎた理由 保安検査なしが常識、関空は大型荷物をスルー
羽田や成田などでは専用施設からプライベートジェット機まで車で移動しなければならないが、関空の「Premium Gate 玉響」では至近距離で徒歩により飛行機に乗り込めるような設計になっている。今回、「Premium Gate 玉響」の目の前にプライベートジェットを駐機した可能性も高い。
荷物の税関検査はなかったのか
それにしても荷物の税関検査はなかったのだろうか。この点については定期便を利用する一般旅行者と同じ考え方ができる。
一般旅行者であれば、海外から日本に到着した後、入国審査・預けた荷物をターンテーブルから引き取った後に税関で申告書を提出し、質問に答える流れで、不審点があれば荷物を開けられることもある。日本は諸外国の中でも厳密なチェックが行われている。取材を進めると、プライベートジェットで入国する場合にも、日本入国時の税関検査はしっかり行われているようだ。最近では金の密輸が増えていることもあり、プライベートジェットで到着した場合でも定期便同様のチェックが行われるとのことだ。
だが、日本からの出国については、定期便を利用する場合でも税関係員によって荷物チェックをされることはない。X線での手荷物検査時には、保安検査を担当する警備会社の検査員によって機内に持ち込めない物をチェックするのがメインの業務であるが、犯罪性のある不審物が見つかった場合には警察などに通報するという仕組みになっている。
預ける手荷物も同様であり、もし荷物の中に人間が潜んでいれば、X線での検査時に発見され、警察に通報されることになる。結果、税関検査がなくても荷物に潜んだ人間を発見することはそう難しくない。だが、プライベートジェットでX線検査そのものがなければ、機内に人間が入った荷物を持ち込むことは不可能ではないということだ。今回、プライベートジェットだから機内に持ち込めたのは間違いないだろう。
とはいえ、ゴーン被告が隠れた荷物をプライベートジェットへ簡単に積み込めたのか。成人男性の人間の体重を含めても最低でも70キロ以上はあるはずだ。
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