新駅舎に移転「銀座線渋谷駅」は便利になったか 改札2カ所、乗り換えの動線はシンプルに

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銀座線渋谷駅を外から見ると、ここでも東京メトロが「近未来」を感じさせることに心を砕いている様子がよくわかる。駅舎の屋根と壁面は、巨大なアルミパネルを鎧のように重ねた構造になっている。

新年のカウントダウンでにぎわう渋谷駅周辺。この時も工事は続いていた(筆者撮影)

下から見るとチューブ状で、サイドにはガラス板がはめ込まれ、駅の内外から地上を行く地下鉄の様子を見ることができる。その姿は「渋谷ヒカリエ」「渋谷スクランブルスクエア」の超高層の垂直ラインに水平に交差して、都会らしい光景を演出している。

旧駅は東急百貨店西館の中にあり、デパートの3階に出入りする地下鉄という完成当時としては未来的な光景を生み出した。地下鉄が地上に現れる様子は、新駅舎でも引き継がれている。

「もともと屋根がかかっていなかったので地下鉄が直接見られた。屋根をつけても電車が見えることを目指した」(三丸所長)

将来は屋根上に歩行者デッキ

ただ、この駅舎の構造は、デザイン上の演出だけが目的ではなかった。M型鋼で支えられた屋根は、上から見るとM型という通り真ん中がへこんでいる。

M型のへこんだ部分に歩行者デッキが設置される予定だ(筆者撮影)

完成時期は未定ではあるものの、このM型のへこんだ部分に歩行者デッキ(=スカイデッキ)が設置されるのだ。地上に降りなくても、駅舎の屋根の上を歩いて宮益坂と道玄坂方向を行き交うことができるようになる。

当初、新駅舎の屋根デザインは「門型ラーメン構造」と呼ばれる四角い筒型を想定していた。これならデッキは設置しやすい。ところが、角のある構造物は駅前広場上空で存在感を示し過ぎる。そのため、角をとったアーチ構造が考えられたが、丸みのある屋根にデッキを設置するのは不安定だ。そこで頂部を1点ではなく2点で支えるM型アーチ案を採用し、デザインと強度の双方の課題を解決した。

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