銀座線渋谷駅「6日間運休」で挑む工事の全貌 ホームを表参道寄りに130m移設、幅も広く
1938年12月の開業以来、「ビルの3階に地下鉄が乗り入れる駅」として親しまれてきた東京メトロ銀座線の渋谷駅。昭和、平成と81年の歴史を刻んできた同駅のホームを移設する工事が12月28日から始まった。
工事に伴い、銀座線は年明け1月2日まで丸6日間、渋谷―表参道間と青山一丁目―溜池山王間で終日運休する。「これだけ大規模な運休を伴うのは初めて」(東京メトロ)という大工事を経て、1月3日始発から新ホームの使用を開始する予定だ。
新しいホームは従来より130mほど表参道寄りに移動し、明治通りをまたぐ形に。ホームの構造も、乗車・降車が別々だった従来の「相対式」から、2本の線路に挟まれた形の「島式」に変わり、幅も広がる。令和最初の正月、銀座線渋谷駅は新たな時代を迎える。
工事開始から10年、ついに移設
高さ230mの複合施設ビル「渋谷スクランブルスクエア」が今年11月に開業するなど、「100年に1度」といわれる規模で進む渋谷駅周辺の再開発。銀座線の駅移設・改良もその一環だ。
銀座線渋谷駅は1日約22万人が利用する、東京メトロの中でも主要なターミナル駅の1つ。だが、ビル内にホームがある構造などから開業以来大規模な改修が行われず、片側約3mというホームの狭さやバリアフリー施設の未整備といった課題を抱えていた。駅の移設は、これらの課題を改善することが狙いだ。
工事は2009年2月にスタート。2016年11月と2018年5月には運休を伴う線路の切り替えを行い、ホーム移設に向けた準備を進めてきた。「ようやくこのタイミングで駅を移設するところまできた」と、東京メトロ改良建設部の西川祐技術課長は言う。
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