子供たちはスーパーカーに乗る夢を見るか?!《それゆけ!カナモリさん》
■若年層の車離れを止めろ
「開発目標は、ドリフト性能世界一です」そんな開発リーダーのコメントが報じられた、コンセプトカーとして東京モーターショーに出展中のトヨタ「FT-86 Concept」。そこには、どんな狙いが隠されているのだろうか。
日経トレンディネットに『トヨタ「FT-86 Concept」、新ハチロクの開発目標はドリフト性能世界一』と題したレポートが掲載された。
「FT-86」に付けられた「ハチロク」はトヨタが1983年に発売したスポーツカー「カローラレビン」「スプリンタートレノ」の車両型式番号「AE86」が原型だ。大ヒットマンガ『頭文字D』(講談社)の中でドリフト走行のテクニックがピカイチの主人公が乗る無敵のクルマでもある。
うーん、ハチロクで「ドリフト性能世界一」とはまさにマンガの世界……と思うと同時に、「誰がターゲットなの?」とも思った。開発リーダーのコメントは続く。
「ゴルフのスコアで100を切れるくらいの運動能力がある人ならドリフトが決められる、そんなクルマを目指しているんですよ」
ゴルフのスコアで100……やっぱりオジサン、往年のファンがターゲットであるようだ。その狙いを開発者はズバリ語っている。
メインターゲットは40~50代の男性。つまり80年代の若いころに、かつての「ハチロク」に乗っていた、あるいは憧れていた人々だ。「目指すのは、オヤジがカッコよく見えるクルマ。運転するお父さんを見て、息子が自分も乗ってみたい、運転したいという憧れや夢を抱くクルマにしたい」
「若者のクルマ離れ」といわれて久しい。若年層の就業環境や収入の問題も大きな要因であるため一概には言えないが、若年層の興味・関心がクルマから他のことに移行しているという。
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