解散・総選挙のタイミング、本命は2020年秋か

相次ぐスキャンダルで支持・不支持が逆転

しかし、政府与党内では「(解散・総選挙の)においもしない」(自民幹部)と否定する声が支配的だ。というのも、補正予算成立後の解散となれば、投開票後に改めて召集する特別国会は手続き上、3月初旬以降となる。首相指名・組閣を経ての来年度予算案の審議入りは、例年より1カ月以上遅れるのは確実。そうなれば、5月連休前の予算成立も微妙になる。

4月上旬ごろには習近平・中国国家主席の国賓としての訪日が予定され、同19日には秋篠宮が皇嗣であることを内外に宣明するための「立皇嗣の礼(りっこうしのれい)」と呼ばれる皇室行事が決まっている。仮にそれまでに予算が成立していなければ、手続上そうした重要行事の予算を暫定予算に含めて手当てするという異常事態となる。

支持率低下で年明け解散は「論外」

さらに、年明けも炎上が続きそうな「桜を見る会」の私物化疑惑をはじめ、カジノを含む統合型リゾート(IR)事業への参入めぐる外為法違反事件に絡む収賄容疑で、自民党の秋元司・衆院議員が12月25日に東京地検特捜部に逮捕された。

かんぽ生命保険への情報漏洩で総務省事務次官が更迭されるなど、ここにきての政権をめぐる疑惑が連鎖し、内閣や自民党の支持率も低下傾向にある。自民党が定期的に実施している次期衆院選の全国情勢調査でも「自民は30~60議席減」との結果が出たとされ、与党内からも「現状では年明け解散など論外」(自民選対)との声が噴き出す。

それでも枝野氏らが年明け解散の可能性を口にするのは、「合流を一気に進めるための環境づくり」(国民民主若手)との見方が多い。枝野氏が「来年の通常国会に臨む際の形で、ほぼ次の衆議院選挙に臨むことになる。選挙前にバタバタすることは絶対にない」と繰り返すのも、国民民主党内部の合流への不満分子に対する脅しとみられている。

解散の次のタイミングとされるのは、6月中旬の通常国会終盤に解散して、7月5日投開票が決まっている東京都知事選とのダブル選挙に持ち込む選択だ。当然、自民党による小池百合子都知事の追い落とし戦略が前提だ。

しかし、選挙を仕切る二階俊博幹事長はかねて「小池さん以外に誰かいるのか」と繰り返し、安倍首相もここにきて「小池知事に勝てる候補はいないのではないか」と漏らしている。そもそも、56年ぶりの国家的行事となる東京五輪・パラリンピックの開催直前に解散・総選挙をぶつけるというのは「政治的常識では考えられない」(首相経験者)との見方が大勢だ。

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