ウクライナ向け与信が大きい外資10行とは? 不良債権比率は40%超にのぼる?
[3日 ロイター] -ウクライナ情勢が不安定となる中、同国にある銀行は預金流出や不良債権比率の拡大、通貨安に直面し、流動性や資本支援が必要となる可能性がある。
国際金融協会(IIF)が今週公表した報告書によると、ウクライナでは今年に入ってから、銀行預金の5%強、額にして30億ドル超が引き出された可能性があるほか、不良債権比率も40%を上回っており、通貨フリブナ安を通じて損失も発生している。
ウクライナの主要行の大半は国もしくは地方が保有している。
ウクライナ向けエクスポージャーをみると、外資銀行ではロシアの銀行が最大勢力で、ズベルバンク
オーストリアの銀行がそれに続き、中銀によると、エクスポージャーは70億ドル。
ロシアとオーストリアを除く主要15カ国をカバーする国際決済銀行(BIS)のデータによると、外国の銀行によるウクライナ向け融資額は昨年9月末時点で274億ドル。
各国銀行の融資額をみると、イタリアの銀行は59億ドル、フランスの銀行が53億ドル。そのほか、米国(15億ドル)、ギリシャ(15億ドル)、ドイツ(10億ドル)、スイス(7億0400万ドル)となっている。
ウクライナ向けエクスポージャーが大きい外資10行は以下の通り。
◎ズベルバンク(ロシア)
エクスポージャーは昨年9月末時点で40億ドルと、バランスシートの1%に満たない水準。ウクライナで221支店を持つ。
◎VTB(ロシア)
エクスポージャーは5億6000万ドル。
◎VEB(ロシア)
昨年12月の発表によると、融資エクスポージャーは約40億ドル。大半が傘下のプロミンベストバンクを通じたもの。
◎OTP銀行
2月19日の発表によると、社会不安を受け、140支店のうち6支店が閉鎖された。
◎ライファイゼン・バンク・インターナショナル
昨年9月末時点で信用エクスポージャーは58億ユーロ(79億ドル)と、グループ全体の3.5%に当たる。
ウクライナでは300万の顧客と818の店舗を持ち、顧客向け融資を36億ユーロ(法人向け54%、個人向け46%)、顧客の預金を27億ユーロ、それぞれ抱えている。
◎ウニクレディト(イタリア)
バンク・オーストリア部門を通じ、ウクライナ向けエクスポージャーは昨年9月末時点で23億ユーロ。
◎PKO
ウクライナの中堅行、クレドバンクを保有。事業は通常通り運営されているとしている。
◎ゲティン・グループ
ウクライナの小規模銀行、イデア・バンク・ウクライナを保有。
◎BNPパリバ
ウクルシブバンクの約85%を保有。残り15%は欧州復興開発銀行(EBRD)が保有している。
ウクルシブバンクは昨年6月末時点で約30億ドルの資産を保有している。
◎クレディ・アグリコル
1兆5000億ユーロのバランスシートのうち、ウクライナ支店は1億5000万ユーロを占める。融資残高は10億ユーロで、大半が農業分野向け。
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