大手スーパーが「キャッシュレス」に怯えるわけ ライフ社長「ポイント還元制度は不公平だ」

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――スーパー業界でも、キャッシュレス決済を導入するチェーンが増えています。

ライフは大手企業なので、キャッシュレス決済のポイント還元制度の恩恵を受けることができない。

当社のキャッシュレス対応については、自社クレジットカードや自社の電子マネーを顧客に使ってもらうことが基本スタンス。PayPayなど他社とも協業している。ポイント倍率や利用金額の還元サービスといったイベントを従来よりも積極的に展開している。そんなに大盤振る舞いしているわけではないが、販促には力を入れている。キャッシュレス関連のイベントを始めてから、新しいお客さんが増えた。

中小スーパー近隣店舗の売り上げに悪影響

――中・小規模スーパーが5%のキャッシュレス・ポイント還元を実施している影響は?

店舗別にデータを見ているが、中・小規模スーパーが近くにある店舗は売上高が数%押し下げられている。

「キャッシュレス・ポイント還元で売り上げへの影響が出ている」と語るライフコーポレーションの岩崎高治社長(記者撮影)

コンビニエンスストアのポイント還元策の影響も、現時点では詳細なデータ分析ができていないが、店舗全般に夕方の売り上げが以前よりも悪い。コンビニで食品などを買うお客さんが増えているからではないか。

キャッシュレス還元についてはお客さんもよくわかっていなくて、「キャッシュレスの還元のあるところがお得」と少しずつ浸透している状況のように思う。

「政府のポイント還元制度が終わっても、キャッシュレス決済を続けると考えている人が7~8割」との報道があった。キャッシュレスの仕組みを利用した購買パターンは続くだろう。5%還元策で中・小規模スーパーに流れたお客さんはいずれ戻ってくる。ただ、コンビニで食品などを買う購買パターンは続くだろう。ここに(顧客がコンビニに流れる)怖さがある。

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