妊婦旅行で胎児死亡もあるあまりに悲しい結末 高額な請求も起こるうる「マタ旅」の是非

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当時のことを振り返ってもらうと、「妊娠中に旅行したらいけないとか、何かあったらどうしようとか気にする人はいますが、私からしたら気にしすぎ。なんでそこまで気にするのかわからない。もし何かあっても、クレジットカードに旅行保険がついているから大丈夫」と言う。

一般的に海外旅行保険は、早産や流産後の処置など妊娠に関する治療について免責対象のため、何かあっても保険ではカバーされない。「……それなら、何かあったら自己責任でどうにかするかな?」と、新しく知った事実にも即答したが、それは多くのマタ旅経験者と同じく、母子ともに無事だったからだろう。

「自分は大丈夫」と思う人が大多数だと思うが、もしも妊娠中に海外で何かあった場合、どうなるのか――。今から15年前に日本で初めて妊娠中(妊娠22週未満)の女性を対象にした特約を海外旅行保険に付けて発売したAIG損保に、保険を導入した背景と実際に多い事例について話を聞いた。

保険請求は年間30~40件、流産・切迫流産が多い

AIG損保が妊婦向けの商品を作ったのは、マタ旅を推奨するためではない。商品開発の背景について、個人傷害・医療保険部 旅行保険課シニアマネージャー青木浩一氏は、

「婚約後に妊娠して、そのまま式を挙げ、新婚旅行に旅立つ人は少なからずいます。今さら結婚式の予定は変更できないし、子どもを産んだら旅行に行きづらくなる。そんな旅行直前に妊娠が発覚した10週以内の人などを想定し、22週目までを保障しています。ただ、『さぁこれでどうぞ行ってらっしゃい』というわけではない。今後も偶発性のない22週以降を保障する商品を作る予定はありません」と言う。

日本では、妊娠22週までにお腹の赤ちゃんに何かあった場合は流産、22週目からは早産となるため、母体にとっても、お腹の赤ちゃんにとっても大きな意味の違いがある。

妊婦さんの保険金の請求件数は年間30~40件、月に3件程度発生していることになる。妊娠中に海外へ渡航する人数は調査がなく、多いか少ないか判断をしにくい。だが、同社の対象保険に加入している妊娠22週未満の人が月3件程度請求するという数は決して少ないとは言えないのではないだろうか。

また、旅先での妊婦のトラブルで多いのは、出血や流産。同社によると、病院に行った妊婦さんのうち約5割(直近4年程のデータ)が流産もしくは切迫流産だったという。

「飛行機の気圧や環境の変化によるためか、到着直後かその翌日に出血したと連絡してくる人が圧倒的だ。データを見ると残念ながら流産される方が多い」と言うのは、同社海外旅行保険サービスセンター長の武田紀子氏。

若い人はとくに、添乗員がいるツアーで渡航する人は少ない。ハワイは日本人も多く安心だと思っていても、何かあったとき、大丈夫な街ではなくなるのがマタ旅だ。

ほとんどの人は病院まではどうにかたどり着けるが、緊急救命室(ER)に行っても、そこは生死をさまよう人の診察が優先されるため、腹痛や不安な気持ち抑えながら長時間待つことになる。同社によると新婚旅行の定番ハワイは、1回の通院で10万〜20万円、1泊2日の流産の手術で200万〜250万円程度だという。

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