巨人で「3軍」常連の男が野球に見つけた生き方 24歳で戦力外通告、女子野球新チーム監督に
「レギュラーポジション」を見つけるためにもがいた男
人生3度目の再スタートだった。
元巨人軍の外野手、高橋洸(26)は富山県を訪れていた。富山市に誕生する北陸初の社会人女子硬式野球チーム「バンディッツ・ガールズ」の監督へ就任することになったのだ。
「監督というお話をいただいて、正直、びっくりはしました。ただ、私も指導者という立場は初めてですけど、選手の女の子たちも一期生ですから。その点は、あまりプレッシャーを感じていません。やるからには勝ちたいですよね。女子プロ野球のチームに勝ちたい。それだけの練習環境は整っていますから」
チームの室内練習場を訪問した高橋は、気持ちのたかぶりを隠せなかった。バッティング・ゲージ3カ所に、ブルペン2カ所。余裕のあるスペースに設置されたウエイトトレーニングのマシン。
「女子野球なのに専用グラウンドまであるんですよ」
高橋の声は明るい。
それもそのはずだ。2017年の秋に巨人軍から戦力外通告を受けてから2年、この富山に家族と移り住むまで、高橋は人生の「レギュラーポジション」を見つけるため、必死にもがき、そして再びグラウンドへ戻ってきたのだから。