そのほかのランキング上位には、順位変動が見られる。大阪大学が京都大学(4位)に代わって3位に浮上。九州大学は昨年度の14位からトップ10入りした。
旧帝大、早慶がズラリと並ぶトップ10の中で存在感を示しているのが豊田工業大学。トヨタ自動車からの寄付金や企業からの受託研究事業など外部資金の獲得力には定評がある。さらに同大学の強みは就職力。昨年に続いて今年も就職率100%を達成した。
同じく目を引くのが北里大学だ。昨年度の32位から一気にトップ10入りした。社団法人北里研究所を統合したことで、継承資産の受け入れに伴って、寄付金収入が07年度15億円から08年度471億円と急拡大したことが、総合ポイントのアップにつながった。
同様に資産継承などの事情で大きく順位を上げたのが津田塾大学。昨年度57位から08年度は11位へ大躍進だ。同大学の同窓会である財団法人津田塾会が解散、千駄ヶ谷の土地など同財団が保有していた資産を大学に寄付したため、寄付金収入が昨年度0・9億円から08年度186億円と急膨張。ランキングを強力に押し上げる結果となった。
そのほか、大きく順位を上げた大学としては21位から12位にアップした神戸大学、33位から15位の名古屋大学、52位から21位のお茶の水女子大学などがある。うち後者2校は高水準の就職率がランキング上昇のプラス要因の一つとなった。
本ランキングでは、前述した北里大や津田塾大のように、単年度の特別な要因で順位が大きく変動する場合がある。また、上位・下位の大学と総合ポイントが僅差のケースも少なくないので、指標データのわずかな変化で順位が入れ替わることもある。
大学の総合的な実力を判断するうえでは、単年度の順位と同時に、その経年変化を見ることも重要だ。ランキング表には今年度を含めて3期分の順位を掲載している。上昇トレンドにあるのか、苦戦しているのかなどの方向性を、順位の推移から読み取ることもできるだろう。
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