糖尿病に手を差し伸べる新型「医療保険」の正体

アプリで健康増進、保険料還元で動機づけ

SOMPOひまわり生命が今回発売する商品は、高齢化で増加が見込まれる糖尿病患者に対して、重症化予防と保障提供を同時に実現する新しい医療保険だ。糖尿病などの慢性疾患の患者が活用できるアプリを提供する台湾のH2社の協力も得て、構想から約2年かけて商品化にこぎつけた。

新商品には糖尿病の治療継続を支援し、重症化を予防するいくつもの仕掛けが組み込まれている。

アプリで糖尿病患者の改善努力を促す

その1つが還付金の仕組みだ。血糖値の平均値である「HbA1c」(ヘモグロビン・エイワンシー)値が1年間のうち1回でも7.5%未満になれば、保険料の1カ月分が還付される。さらに、5年間の保険期間中に入院一時金と手術給付金の支払いがなく、満期直前の1年間のうちHbA1c値が7.5%未満になったことがあれば、満期後に通常の医療保険に移行できる。

つまり、保険料のキャッシュバックや、保険料がより安い医療保険へ移行できるというインセンティブを付与することで、加入者の努力を後押ししているのだ。

「予防領域で今までにない価値を提供したい」と話すSOMPOひまわり生命の大場康弘社長(撮影:梅谷秀司)

この保険に入るには、H2社が開発した糖尿病患者向け健康管理アプリの使用が前提になっている。まず無料アプリをダウンロードし、その後画面上で保険加入の手続きを行う。アプリには、測定した血糖値の管理に加えて、血圧・体重・運動・食事など糖尿病患者が留意しなくてはいけない項目を記録できる機能が付いている。データをグラフで表示したり、生活習慣による測定値の変化を把握できる機能もある。

SOMPOひまわり生命の大場康弘社長は「糖尿病患者を管理するアプリは国内外に多くあるが、H2社のアプリは実際に糖尿病患者の重症化予防につながっているという実績がある」と評価する。

H2社は2013年に台湾で設立され、その健康管理アプリ「シンクヘルス」は世界で30万人以上が活用している。「日常的にアプリを活用している人は服薬などの治療を継続する割合が高まったり、HbA1c値が改善するなどの効果が見られる」(H2社のエド・デン社長)という。

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